TOP  REVIEW  ARTISTS  LIVE  ABOUT  BEST  DIARY  LINKS



SEPTEMBER   /   OCTOBER   /   NOVEMBER

1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9

PERHAPS/Volume One

★★★★

LIVE感のある作品が好きだ。俗に言う「一発録り」の類。オーディエンスという第3者が介在する「LIVE(あるいはLIVE盤)」とは微妙に異なる、バンドの生の空気、計算と暴発的な熱のせめぎ合いが閉じ込められているように感じるから、かな?

これは、米ボストンのトリオによるデビュー盤。皮膚がチリチリ焦げるような熱気にあてられる好アルバムだ。マスコア?いやいや、そんな生易しいモンじゃない。シンプルに「Volume One」と銘打たれた1track/37minの一本勝負。冒頭90秒のシークエンスから炸裂するタフなインプロに漲る熱量は尋常でない。

guitar/bass/drumsのパワートリオを軸に、各種インストがその激流を加速させる。高速のタッピング・ギターを散らすカラフルな序盤はさながらLIGHTNING VOLTみたいだが、奔りまくるベースライン+鬼ドラムが足元から強烈なパワーで煽り、敷き延べられるインプロに緩む隙間を与えない。この、LIVEを観ているか如きエキサイティングな緊張感。お飾り的なソロパートなどどこにもあらず、間もなく狂い咲き始めるサキソフォンが溢れ出せば、Mark Ribotも吃驚!なFuzzの雷鳴が轟きビシバシとキメまくり、ラスト7分間のクライマックスでは、ゴッドスピードな香りも漂うヴァイオリンを筆頭にドラマティックなストリングスをこれでもかと折り重ねて叩きつけ、巨大にして劇的なサウンドスケープを描出してみせる。眩暈のするような生々しいパッションを、ダイレクトに叩きつける音作りが素晴らしい。勢い/技術/センスがもれなく同居した素晴らしいバンド。気に入った人はぜひ、1ドルでも良いのでバンドへサポートを!

Liseten, Buy