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MARCH   /   APRIL   /   MAY

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SPIRITUALIZED/Sweet Heart Sweet Life

★★★★☆

これ聴いて「キター!!!」と悶絶喜んだスピファンは少なくない、と見ているのだがどうだろう。約4年ぶりとなる新作は、個人的には『宇宙遊泳』以降最高の内容だと思う。

静かに高揚するオーケストレーション"Huh(intro)"から流れ込む"Hey Jane"がなんてったってヤバイのだ。言うなれば、かつての名カバー曲"Run"をもっとファンキーにぶっ飛ばしたようなナンバー。バックに湧き立つハッピーなコーラスは、まるで初期頃のMERCURY REV!!みたいなイカれたサイケデリアを感じさせる。

この初っ端で生まれた奇天烈な磁場が、ラストまで強烈なハーモニーとして作品全体を包括して鳴らす。いや、音そのものというより雰囲気かもしれんが。どちらかと言えば楽曲ごとのブツ切り感が強かった近作と違い、今回ではトータルを貫く流れがある。恥ずかしいほどにナイーヴなメロディラインで落とす"Too Late"や"Life Is A Problem"、延々敷き述べられるかに見えるFUZZギターのジャンクネスがたまらん"Headin' For The Top Now"あるいはそこへゴスペル/ノイズが加算される"I Am What I Am"なんてのもあれば、かたや一瞬でクリーンな音像へと転換する"Freedom"が飛び出したりと、その並べ方、鳴らし方にハッキリ「魅せる」意図が感じられる。そこがなんとも格好良く、小躍りしたくなるような昂ぶりを誘う。

初期の「Pure Phase」に覆われたサイケデリックな潮流と、Jasonの(センチ)メンタルが色濃く滲む近作を絶妙に内包し、軽やかな「ロケンロー」として鳴らす本作。ほんま、やってくれました!今年度BEST級のサプライズ。

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