TURING MACHINE/What Is The Meaning Of What

★★★★

リズムの陶酔、ノイズギターのアジテーション

例えるなら"MASERATI metts COPTIC LIGHT"なサウンドを鳴らすL.A発の3ピース。それもそのはず、およそ8年ぶりとなるこの新作には、若くして亡くなったドラマー/Jerry Fuches(MASERATI、!!!、LCD Soundsystem)生前最後のスタジオワークが収められる。聴けば間違いなく「彼」だと判るそのリズムの連弾は、世に少なからず存在するリズム/ノイズ/インプロ好事家を必殺し、魅了する。

クラウトロックの流れを汲みEXPERIMENTALに奔るリズムは痺れるほどに的確で、生々しいドライヴ感をもってループする。転回し溜め込まれた「昂揚」という名の熱量は、のたくるギター/ノイズによって攪拌される。蒸気機関の胎動を思わせるサウンドが跳ねる"Yeah, C'mon!"、Brian Case(DISAPPEARS)のサイケデリックなヴォーカルが雷鳴のように鳴り響く"If It's Gone(It's On)"などいずれも素晴らしいが、やはり「これぞJerry!!!」ってな具合の小刻みなカッティング・グルーヴが煌めく"Lazy Afternoon Of The Jaguar"やタイトルトラックに痺れる。暴力的なまでにストイック。細かなカッティングの反復と積算が素晴らしい切れ味で煌めく。上手く言えないが、このリズムは物凄くユニークなのだ。理屈抜きに昂ぶる純白のリズム。唯一無二。音楽の、リズムの至福をありがとう。

R.I.P Jerry Fuchs

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