COPTIC LIGHT/S.T

★★★★☆

 5月に再来日を果たしたNYの3ピース、Coptic Lightの1st。いやはや超絶。そのテクニカルなサウンドに悶絶。パーカッシブな音塊を弾き飛ばすローリングドラムに、微弱な放電によって脳内を駆逐するハイパーなギターワークが宙を舞い、トグロを巻きながら底部で極太のグルーヴを形成するベースラインが、一見互いを無視するかのように暴れながら、その実完璧に絡み合い、素晴らしいインプロヴィゼーションを展開する。

 相当に密な音の洪水で攻め立てながら、その質感は極めてタイト。引き締まったフォーメーションで爆撃を仕掛けるかのようなジャケ写が、その音を如実に表すよう。間隙にてぐっとテンポを落とし込み、開かれた空間の中へノイズ/エフェクトギター/微小なエレクトロニカを飛ばして形成する、スペーシーかつサイケデリックな展開を絡めながら、全3曲44分に渡り、一瞬たりとも途切れることのないプログレッシブな狂騒を演出する。静と動の間を絶え間なく脈動するサウンドが、相当にカッコイイ。超絶なノイズ・インプロという点で、The Psychic Paramountとの共通項も見え隠れするが、あからさまな扇情性を廃し、徹底してストイックに、しかしアグレッシブに攻めまくるCoptic.Lightの演奏は、なんとも不可思議な、しかして強烈な昂揚感で脳髄を痺れさせる。スマートな爆音の波状攻撃により広大な空間を演出するそのスタイル。素晴らしいです。

http://www.myspace.com/copticlight

E.P

★★★★

 こちらは7"でリリースされていたepに未発表音源を2曲、さらに昨年の来日公演映像をエンハンスド仕様で追加した日本独自企画盤。上記アルバムと比べると、かなり直情的に爆ぜている感のある爆音ノイズが素晴らしい。

 何だこのドラムは。まさしく乱れ撃ち。しかも異常に精緻。変則的でありながら、凄まじくストレートに昂揚感を煽るこのドラミングの傍らで、狂ったギターのインプロが延々とその熱量を放射し続ける。ギター/ベース/ドラムの3人による爆音ノイズの仕掛け合いは、まったくもって先の読めないアヴァンギャルドなモノでありながら、そこから形成され湧き上がるグルーヴの快楽は、とてつもなくストレートに脳天をブチ抜く。中でもTr.3"must be arson guy"が良い。歪んだリフの反復の中へ、ハイハットのイカズチが振り下ろされ、ドロドロと轟くベースの上で変質的に揺れるサイケデリックノイズが、妖艶硬質な轟音世界を構築していく。振り切れ寸前のエクスタシーを、終始に渡って途切れることなく紡ぎ出していくその音模様。良いです。ただただもう、良い。初めて彼らの音に触れるなら、こちらの作品をオススメいたします。