DISAPPEARS/Lux

★★★★

US/シカゴの4人組によるデビュー盤。駆け回るリズム、ロウなギターノイズに釣り込まれ、翻弄されるロケンロー。一聴するだに耳を惹くパンキッシュ/ガレージィなサウンドだが、聴けば聴くほど深みにハマる、深いリヴァーヴの向こうに見え隠れする魅力的な、一筋縄ではいかぬ音像が斬新。

オルタナ、シューゲ、クラウトロックにアートロックと、その何れの断片も含みつつそのドコにも落ち着かない特異なサウンド、音空間。存分なウネりをみせるリズム隊に、大事な関節がハズれたようなヴォーカルがヌケ絡み、ぶっきらぼうな粗さの中にアートフルな閃きが、ずぶずぶのディレイの最中にプリミティヴなリフレインが突き進む。芳醇なフレーヴァーを醸し出すジャンクネス。おもろいぞ、このバンド!と思い調べてみたら、なんとex.90daymenのギタリスト/Brian Caseらベテランが組んだバンドだそうで。なるほど、このミニマルな起伏のツボを押さえた空間作り、並みの新人さんには出来ませんわ。

Guider

★★★☆

ex.90daymenのBrian Case率いるシカゴの4ピースによる2nd。前作から9ヶ月、ってのもあって、そのガレージィでスペィシーなサウンド仕様は変わらず。ついでにレーベルも前作と同じくKranky。

クラウト・ロックなリズム隊、シンプル・コードをかき鳴らすギター、調子っぱずれのアジテーションがパンクを香らせるヴォーカルと、シンプルで、アグレッシヴながらもしっかり熟した音像がステキ。ジャンキーなコード、揺らめきのビブラートを渾然と鳴らしながら、5トラックを14分足らずで駆け抜けて、ラスト"Revisiting"では15分超の酩酊空飛行ガレージ・サイケを展開。トータル30分というコンパクト設計でとりわけ気になるアラもない。が、正直、ファーストインパクトを上回るモノを感じなかったのも確か。良質のサイケ・ガレージというだけでは、たとえばWOODEN SHJIPSあたりと同列の、あくまでそのジャンル限定の優良株に止まってしまっているようにも思う。

http://www.myspace.com/disappearsmusic