THE 90 DAY MEN/Panda Park

★★★★

 現在ツアーの真っ最中、シカゴの4人組/The 90 Day Menの3rdをレビュー。冒頭からいきなり、西洋悪魔崇拝の儀式のような、一種異様な雰囲気を孕んだリリカルなアンサンブルが登場。一打一打が非常に重厚なドラミング、蠢くベースライン、そして多くの場面において神経症的な面を発露するボーカルが、絡み合うように展開。

 各パートがリフレインしながら次第に登りつめていく楽曲群は、それだけでも十分な昂揚指数を誇るものの、特筆すべきはピアノラインの圧倒的な美しさ。各楽器にまとわりつきながら、時に柔らかく/時に妖艶なスケールを描くこのピアノの爆発的な叙情性が、不安定で刺々しいボーカルとの間に抜群のコントラストを描き出し、得も言われぬ耽美的世界を生み出している。随所で顔を覗かせるフルートの音色もまた非常に新鮮。この世界観がどう表現されるのか、ライブが非常に楽しみ。