A.Armada/Anam Cara

★★★★

ジョージア州アセンズのポストロックバンドによる1st。初期MOGWAIのダイナミズム/EITSの泣きのセンチメンタリズムを折衷した轟音が波状に打ち寄せる、つまりは最近のSaxon Shore型の叙情インストロック。先のEVPATORIA REPORTのレビューにて"これだから最近のポストロックは〜"みたいな事を書いた自分を滅殺して土葬に付したくなるような、強烈に感情掻き立てられ昂揚したエモーショナルな快盤。

まず始めに「この手のはもう満腹」という人々を釣るべくエサを撒いておくと、このバンド、メンバー中2人がCINEMECHANICAのG./Baで、さらにはそこへMASERATIのツアー・ギタリストも加わった結果の4人体制。大枠は上述のとおりの壮麗な轟音ナンバーながら、その枠中ではmathなフレーズがやはり所々で顔を覗かせる。

"深淵から浮上する厳かな旋律"ではなく、のっけから豪快な重奏を叩きつけるオープンニングの"The Dam Was Split〜"がまず好印象。バウンドするリズムに美しい旋律とノイズが絡み合い、爆発的な力で遥かなる雲上へと精神を解き放つ。とにかくこの2本のギターの絡み合いが素晴らしい。Tr.2中盤ではマスな変則フレーズを絡めながらもエモーショナルな大波は微塵も崩れず、続くTr.3"Fall-Triumph"に至って最高度の煽りで魅了する強烈なバーストを上程。地鳴りのような轟音に始まり、ダンサンブルなビートが疾走するTr.4は、昨年度の<Maseratiのアルバムを思わせる好ナンバーで、ラストトラックでもひたすらに昂揚を掻き立てる絶対的な轟音を叩き出し幕を引く。薄霞が覆う水面に波紋が拡がり、重なりあう波紋がやがて波立ち、激烈な飛沫をなしてウネリ立つような音像が文句なしにキモチイイ。全5曲/27分でE.P扱いになるらしいが、このクオリティでアルバムも!と思わずにいられない、強い昂揚溢れる快作。

http://www.myspace.com/aarmada