CINEMECHANICA/The Martial Arts

★★★★

ジョージア州の激する4人組、Cinemechanicaのデビュー盤。エモーション剥き出しの野獣が堅牢複雑な檻の中で暴れ狂うような、知的に激しいポスト・コア。

間隙を活かした精緻なグルーヴを刻むミドルテンポのインストゥルメンテーションでは、Don Caballero以降マスロッカーの香りも仄かに漂わせつつ、突如として暴発的に加速するカオティックな激音が、そうした幾何学的側面を破壊する態で吹き荒れる。予測不能な伸張を見せるハード・コアという意味では、The Fall Of Troyとの接点も挙げれようが、「構築美」などという単語より「破壊神」といった形容がお似合いなCinemechanicaの音塊は、何ともプリミティヴで生々しい熱を放射する。

怒涛の態で地を這うベースと、連続してテンプルを側撃するドラムの乱らな機銃掃射。双頭のギターが複雑に絡み合い、アグレッシヴに唸りをあげるその展開。一寸先は暗黒、とでも言いたくなる未知の世界を狂乱の態で創造していく様が、なんともステキでカッコ良い。オススメ。

http://www.myspace.com/cinemechanica