UNITED NATIONS/S.T

★★★★

N.Yのハードコア・ユニットによる1作目。まず何がスゴイかというとまぁ、面子が凄いのデス。

Geoff Rickly(THURSDAY)
Daryl Palumbo(GLASSJAW)
Ben Koller(CONVERGE)
Christopher Conger(THE NUMBER 12 LOOKS LIKE YOU)
Eric Cooper(MADE OUT OF BABIES)

という5人組。個人的にゃ先に触れたMade Out Of Babiesから偶然当たったのだが、この界隈に疎い自分でさえ知ってる名前にブチ当たる弩級のラインナップ。血を吐くような重低シャウトと艶かしいエモ・ヴォーカルの混声(自分の浅い知識だとどうしてもFall Of Troyを引き合いに出したくなっちまう)がめくるめいて混戦。鉄壁が自在にウネリながら激突するインスト群は熱く、ヤヴァく、鋭角の兇刃で辺り構わずメッタ斬る。クサさ、エモさ、硬さに軟さ、変体っぽさに剛毅なド直さ、その全てが(個人的に)絶妙なバランスで猛打されるサマに狂喜!理性は乱れブチっと飛ぶ!

始めにハードコアとか言っといてなんだが、Tr.4"Model UN"やTr.6"My Cold War"辺りなんてまぁ、大絶叫と爆音リフとリズムとが同軸同方向に向かって完全混濁してゴワッシャーァアンと流れ拡がっており、さながら「ポスト・メタル通過したシューゲイザーのようなモノ」を聴いてる感覚になる。そんなの無いけど。

全員でレーガンマスク被ってるメンバー写真やポリテイカルなメッセージ性(そもそもバンド名からしてスゲーのだが)については特に何も感じないのだが(オイオイ)怒り属の熱量を存分に放射するサウンドは、言葉や思想とか関係なしに感情を煽って煽って煽り捲くり捲り上げる。ラストでわりと長々入るサックス・ソロがちょい下手っぴに聴こえるとかTr.9"I Keep Living The Same Day"は間違って2曲同時再生してしまったような違和感がぁ、とか細かい点での突っ込みどころはあるとしても、総じて熱くやかましくやかましくクソったれラウド!な狂騒にただ塗れるが良いという快作。

http://www.myspace.com/unitednations