MADE OUT OF BABIES/The Ruiner

★★★★☆

強烈な紅一点Vo.を擁する、N.Y発の4人組による3rd。最近すこぅし食傷気味になりつつあった「POST METAL」の大海に、激鮮烈な華を咲かせる至上のサウンド。オルタナティヴ、ジャンク、パンク等々いろいろな形容もアタマに浮かぶが、とにかく一瞬でツカム即効性、ブチ切れて止まらない煽情性にヤラれましたメチャクチャ格好良い。

ジャリジャリとザラついた、ヒヤリとしてダークな音塊がハナから怒涛で襲い来る。プロデュースを手掛けるAndrew Schneider(Pelican,Unsane)の手腕もあろうが、グランジィな捻転からインダストリアルな破裂までを見せつける「艶かしい鉛色」が相当キテる。不穏、凶暴、ソリッドかつヘヴィ。量感を振り廻す破壊力と、ギラつく刃で切り裂くスリリングが同乗する爆音の主張は、刺激のツボを正しくガッツリ押さえてる。

しかししかし、何よりの"強烈"はこのヴォーカルでしょう。Julie Christmasちゅう姉ちゃんですが、憑かれたように耽美を放るロリ声はさながら歌姫ビョークのようであり、一転、怒涛のシャウトを叩き出すシーンでは、雷神めいた怒号の喜色で場を埋めていく。時に彼女自身の声を背後に乱舞させ、折り重ね昂ぶらせ、歪め叩き落すそのキレた熱量が半端なくスゲー!!!DEATH。

一打のインパクト自体が鮮烈なリフ/リズムの音塊そしてSCREAMを、全体のドライヴ感を全く損なわぬまま執拗に反復させアゲていくTr.6"Bunny Boots"の絶頂感や、狂人のクワイヤめいた声を従者にジャンクな瞬間最大風速を吹き荒らすTr.8"Peew"など、ヘヴィ級の破壊力とキッチュな要素が衝動を糊代にして絶妙に重なっている。これは、すごく、良い。アルビニがプロデュースを手掛けているらしい1st、2ndも必ず聴いてやる。

ちなみにヴォーカルのJulieは、NeurosisのメンバーらとBATTLE OF MICEというバンドを、またDILLINGER ESCAPE PLANのメンバーらとはSPYLACOPAというバンドを組み旺盛に活動している模様。この辺もまた順次聴いてみたい・・・がっ!!!時間が欲しい。

http://www.myspace.com/madeoutofbabies