RADAR MEN FROM THE MOON/Intergalactic Dada & Space Trombones

★★★★

やっぱオランダってスゲー!
と思わされる超深度のSPACE ROCK

同郷GOMER PYLEあるいは35007と完全にその水脈を同じくするズ太くズブズブと深いサウンドのトリップ感が半端ない。タイトだがその内に膨れ上がるマグマを感じさせるドラムスに、レイドバックしたFUZZギターが重なればもう逃げられない。ヴィンテージな質感のサンプリング/セピア色に歪んだストリングスを随所に織り込みながら、いつ終わるともしれない荒野を行き逝く音のキャラバン。陽炎のように揺れる景色の中で、ときおりセンセーショナルに爆発するギター・リフ、そして脳内を攪拌して響く電子音とともに、足元がグラリ捲れ上がるような重低音を轟かすベース・ラインが凄まじく格好良い。

なにげにこの手のサウンドで、素面のリスナーを最初から最後まで引き摺り倒せるバンドって多くないんだが、この3ピースはそんな数少ない逸材の一つ。BGM的に流していたのに、気づけば頭をユラユラうち振っている自分がいるというヤバさ。こんなのを作れちゃうバンドが幾つも出てくるなんて、やっぱり国民的な素質があるんだろうかしらね←偏見

Echo Forever

★★★★☆

それはまるで押し寄せる氷河の如き轟音の胎動

デビュー盤が強烈な印象を刻んだオランダの3ピースによる、わずか1年で放出された2ndアルバム。文字通りheavyにtripするスペィシーなサイケデリック・ジャム。尋常でない拡がりをもたらすサウンドスケープと、ときおり頭蓋に注ぎ込まれるサンプリング・ワーズのジャンクネス。一聴した感じだと、リフ/リズムの即効性は前作のほうが上なのだが、遅効して押し寄せる快楽の波の巨大さが、今作は相当にヤバいんデス。それはまるで押し寄せる氷河のように圧倒的なスケールで迫り、どこか人知を超えたスペクタクルで全身を圧する。

スペースサイケデリック・ストーナー・メタル?
SLEEPともPELICANともはたまた35007ともLVMENとも違う、それでいてそいつ等とタメを張るあるいは張り倒しかねないマッシヴなエクスペリメンタル・サウンド。音の輪郭自体はむしろ朧で、しかし轟然と隆起し繰り返し覆い被さるリフの膂力は尋常でなくタフで、強い。ヒタヒタと侵食する波に、気づけば丸ごと浚われていたというような、なんだよこれ、ちょっとありえねーよヤバイよこれ、という轟音の波状に、どうぞ脳ミソ蕩かされてくださいな。

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