HUMANFLY/U

★★★★☆

UK/Leedsの4人組によるデビュー・フル。知的な構成に拠って脅威的な轟音を打ち立てる、およそ新人らしからぬハッタリの効いた快作。

冒頭で拡がる夜の叙情の旋律を、落雷のような轟音が一蹴。荒い重金属リフ/リズムがのたうつTr.1"Another Week In The Theme Park Of Death"は、空間を自在な緩急で折り曲げて魅せる超重厚な轟音HM。Pink Floydの影を引きずるスペーシーな導入部から、最初期のPelicanを思わせる爆音リフの九十九折へと繋がるTr.2"Shot Into Space"では、臨界点で鮮烈な絶叫が頭蓋に炸裂する。

ヘヴィなローリング・ドラム/軋むようなメタリック・リフからブレイクするTr.3"Nenhuns〜"において、激情と感傷その他多数の背反要素が激突を始め、首根っこを押さえつけられ溺死させられるような凶暴なリフ渦巻くTr.4"Tjarnargata/A Passage to Reykjavik "のラストへと繋がっていく。警報のように鳴り渡るファズの大音響と、ザックザクと刻み込まれるメタル・リフが混濁して鬼のような驀進を続けるTr.5"Marakech"は、終局で噴出する絶望的なヴォーカルがドゥーミィな気配を惹起。サイケデリックに拡がる空間にて重低音の暴力装置を起動する13分超のラストトラック"An Intimate Battering"でも、それこそMelvinsの"Lysol"めいた最強の音像を展開してみせる。

全6曲で60分超という構成、その全てに必然性があるとまでは言わないが、重厚長大な展開と強烈に過ぎる轟音メタルの掛け合わせはこちらの想定を軽く飛び越えて衝撃的。繰り返し、何度も再生ボタンを押させる破壊力抜群の一枚。

A God Among Insects

★★★★

先にアルバムをレビューした、UK/リーズのバンドによるこちら04年リリースのEP。ある意味で全く別バンド然としたサウンドに唖然としてまた喜ぶ。全8曲でたったの19分。吹き荒れる猛烈なハード・コア/メタル・コアは暴力以外のナニモノでもありゃしない。

熱気と寒気の衝突により発生した巨大な積乱雲、そっから怒涛の爆雷雨に巻き込む超大かつプログレッシヴなヘヴィネス(black floyd,pink sabbathとはよく言ったもんだ)が先のアルバムの特性だとしたら(例えが長くてゴメンネ)、このEPは出会い頭に撃ち殺されるような剥き出しの衝動性こそが全て。全部繋がってるんで『1曲/19分』って考えりゃあ存分にProgressiveなんだが、獰猛で凶暴で猛烈な音のラッシュは、明らかに瞬間瞬間でその生を謳歌してる。別にこのバンド・オンリーな音像があるわけじゃあないが、イチイチの音がカッコ良すぎて悶絶するには十二分。飽きるまでひたすらに聴きまくれてビリビリ効きまくるアグレッシヴに過ぎる良盤です。ちなみにイマドキ珍しい7インチCDなんで、お宅のステレオで再生出来なくても知りませぬ。

http://www.myspace.com/humanfly