THE FLOWER MACHINE/Chalk Dust Dream of the Tea Cozy Mitten Company

★★★★

 その柔らかな音の洪水に思わず眩暈を起こしてしまいそうな、そんな眩い陽性のポップ・サイケデリアを奏でるL.Aのインディー・ポップバンドによる1stアルバム。

 春風を思わせるアコースティック・ギターが心を柔らかくブラッシュアップし、ノスタルジックなキーボード/パーカッション/サンプリングが鮮やかな彩りを添えながら、穏やかに霞がかった60年代サイケ・エイジへと聴き手を導いていく。

 抜群の昂揚作用をもって聴き手を包む、Peter Quinnellのハスキーな歌声もまた非常に魅力的で、どこを取っても素晴らしいメロディ溢れる楽曲とともに、心地良い磁場を形成しながらアルバム中を漂っている。中でもオススメなのがTr.2"In Glow"。冒頭のメロトロンの放蕩と、煌びやかなアコギの響きが一瞬にして聴き手を捉え、体内を巡る血液にノスタルジックな昂揚感を溶け込ませていく。

 60sサイケフレーヴァーを基調としたギターポップを鳴らすバンドは多々あれど、ここまで高い完成度を備えた作品は非常に稀。The TydeAll Night Radio、そしてBeachwood Sparksを愛する方には是非とも聴いてもらいたい、素晴らしい一枚です。

www.myspace.com/theflowermachine