Beachwood Sparksのメンバー、Dave ScherとJimi Heyの2人によるサイドプロジェクト、All
Night Radioの1stアルバム。B級SF映画の1シーンのようなジャケ写はともかくとして、内容のほうは近年稀に見る極上のサイケポップアルバム。
ハープシコードやシンセのキラキラした音色、そこにかなり強烈なエコーをかけた定位のしっかりしないボーカルとバックコーラスが折り重なり、ドリーミーかつ強い中毒性をもったサウンドを展開する"Daylight
Till Dawn"、「Coralの新曲か!?」と見紛うようなジャングリーなサイケギターのイントロから雪崩れ込むTr.4などなど、リスナーを現実世界からあちらの世界で鳴り響くマジカルポップワールドへといざなう現代版サイケな香りの曲群が非常に素晴らしいんですが、いやはやなんとも形容しがたい音。スペーシーで広がりのあるギター音や、天才的とも言える珠玉の陽性ポップメロディーを基にしつつ、異様にリヴァ-ヴされたボーカルを含め、全編通じて風呂場で鳴っているような独特の音処理に包み込まれている不安定な音像がなんとも特異な空間を作り出しています。
個人的にはかなり一押しのアルバム。Flaming LipsやGrandaddy、Mercury Revのドリーミーな部分、はたまたSFA好きな方まで是非とも聴いてみて欲しいです。それにしてもこのAll
Night RadioといいTydeといい、ビーチウッドスパークスのメンバーの才能には脱帽です。
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