DIRTY ON PURPOSE/Hallelujah Sirens

★★★★

N.Yはブルックリンから素晴らしいバンドが出てきました。今作がデビューアルバムとなる4人がかき鳴らすのは、Yo La TengoからRide、Sonic Youthまでもが引き合いに出されるような、インディー・ロックの淡いキラメキと爆発的に吹き荒れ咲き乱れるウォール・オブ・ノイジー・ギターが同居する、恍惚の音・音・音。

オープニングトラック"No Radio"
7月の風の如く流れ去るメロディに、眩いブラスセクションが華やかに咲き乱れる。ポリフォニック・スプリーばりの多幸感に満ち充ちた空間で、やがて溢れ出すギターの奔流。素晴らしくキャッチーな夢見心地のメロディが、ノイズの波に乗り一気に駆け抜けていく。明滅するチャイミーなギターリフと、胸を甘く締め付けるメロディが浮遊し、再びめくるめくディストーション・ギターの洪水に呑まれていくTr.2"Your Summer Dress"で早くも昇天。

男女混声のヴォーカルが初秋のノスタルジーを醸成し、やがて郷愁のトレモロギターに全てが埋め尽くされていくTr.7"Always Looking"から、抜群のドライブ感で場を牽引するベースに導かれ、轟音の壁を背景に疾走するシューゲイジング・ナンバー"Marfa Lights"へ、さらに全曲中最も強烈にギターが咆哮し、ノイズが錯綜し耳を裂く"Monument"へと雪崩れ込む展開に悶絶。

天賦の才であるキャッチーなメロディセンスと、白熱するギターのラッシュを掛け合わせるその様は、先に紹介したEvangelicalsとも共通するモノを感じさせる。Meow Meowのサウンドが好きな人もきっと気に入るだろう、かなり良いバンドです。オススメ!

http://www.myspace.com/dirtyonpurpose