5IVE/Hesperus

★★★★

Ben Carr(gt.)並びにCharlie Harrold(dr.)から成るボストンのスラッジ・デュオによる08年発4th。プロデュースにはAndrew Schneider(PELICAN, CAVE IN, MADE OUT OF BABIES)が就任、スキモノにはたまらん巨大な爆煙をおっ立ててくる。

野太いおめき声を上げる旋律/リズムから成る、完璧な歪低音インストゥルメンタル宇宙葬。ヴォーカルは一切入らない。ついでに言うと、ベースも居ない(過去作ではISISのJeff Caxideがプレイしているものもあるみたい)。それでいて、この厚み。この厚みにして、この昂揚感。のっけから究極にブーストされたスラッジ・リフがドデカイ外殻を形成し、ズリずりズリと驀進するサマにニヤリとしたあなた、はい貴方です、アナタもう虜決定!ってな具合で掴まれたが最後、もう駄目ダメね。ナチュラルな旋回から湧き上がる、十重二重の轟音ノイズ・ミルフィーユ。咆哮する極太リフがカッコ良すぎるTr.2"Big Sea"で腑抜けにされ、続く3分間の爆音ストレート"Kettle Cave"でキメられる。ポストメタリックな誇大さを増すTr.5からキモチ良さはなおのこと増しまして、7分/8分/12分超で送り出される轟音重奏に首風車は必至。起承の部分を持たない、転結のみで構成される長尺の宴は、弛緩する間を持たせずひたすら昂揚の臨界点で引き摺り回す。惹きつけて止まぬ、邪気溢れる豪快な重爆音は、例えばMOGWAIの"MFMK"あたりが好きな人におそらくドンピシャ。最高です!ちなみに↓のURL見ると笑えますが、イギリスのアイドル・グループ/Fiveとは関係ございませんのことよ。

http://www.myspace.com/thereal5ive