ブルックリン発/男女混成5人組による1stフル。本国でのリリースから遅れること1年と少し、ようやくココ日本でのデビューと相成った。地下世界アートの香りを纏ったガレージ/ディスコパンクの音劇場。ソリッド・クールなテンションにて畳み掛け時に激す音塊は、今は亡きIkara Coltばりの強烈な磁場を形成し、聴き手を惹きつける。
キャッチーにして焦燥に塗れた歌唱を錯綜させるbecky嬢のボーカルと、レトロ・チープな旋律を其処此処で炸裂させるキーボードの掛け合いが何とも魅力的。この前面に押し出された鍵盤器楽は、時に張り詰めた楽曲の表層に絶妙な弛緩穴を穿ち、また一方では自らが神経症的な響きを纏って空間を締めたりと、完璧にこのバンドの顔となり様々な表情を見せる。
ベストトラックはTr.6"The Gap"
小刻みに痙攣するキーボードと単一フレーズを連呼するヴォーカリゼーション、ざくりとしたカッティングのギターと地を捲くるベースラインにより、あくまでも平熱のまま短い狂騒を打ち出していく様がなんともクール。
よく聴くと背後で下手糞なコーラスワークが舞っていたり、所々で抜けた感を醸すメロディが立ち現れたりと、この絶妙なダサさを孕んだ鳴りっぷりがタマラナイ。クールなB級アートのガレージロック。こんな質感を出せるバンドはなかなかいないだろう。オススメです。
http://www.myspace.com/yousaypartywesaydie