YETI LANE/The Echo Show

★★★★☆

またすんげー良いアルバムが出てきたなと。フランスのデュオ/Ben PlengとCharlie Boyerが率いるバンド。その2ndアルバムが素晴らしい頻度で我が家のオーディオを占拠しておりますよ。

とにかくもう、オープナー"Analog Wheel"の高揚感ったら、ない。KRAUTROCKの一番オイシイところを抽出したようなリズムと、重なり浮かぶ飛沫のような電子音、明度の高い珠玉のメロディ、そして全てをウォッシュ・アウトするギターの轟音。サイケデリック/クラウト/シューゲイザー界隈のリスナーを悶死させる文字通りのキラーチューン。なのだが、それだけにあらず。死にたくなるほどに美しい感傷を孕んだエレクトロニカ/メロディが睦み合うTr.3"Warning Sensations"(←咽び泣き必死の名曲)から中盤にかけて流れる「メランコリーの桃源郷」めいた音像は、あの"Sophtware Slump"期のGRANDADDYを彷彿とさせる強烈な哀愁で琴線をギュッと鷲掴むのだ。

挙句にTr.10"Dead Tired"で高らかにバーストしたメロディ/ギターの旋律は、まるでSPIRITUALIZEDを思わせる純白の轟音サイケデリア"Sparkling Sunbeam"へと増幅され、さらにはSPACEMEN3ばりのアシッドな爆音ナンバー"Faded Spectrum"で極点を描き、消える。

遡ってデビュー盤も聴いてみたのだが、ハッキリ言ってクオリティがまるで違う。複雑に絡み合うパルスと、アトラクティヴなメロディ・ライン、ダイナミックなギター・ロックの快が素晴らしいレベルで組み合ったかなりの傑作。オススメです!

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