「Under The Western Freeway」から2年半ぶりとなる2nd。Grandaddyはカリフォルニアはモデストという田舎町で結成された5人組ローファイポップバンド。ローファイと聞くとある種の安っぽい音を連想してしまうんですが、彼らの曲はローファイサウンドが持つ親しみやすい空気はそのままに、音のほうからは全く安っぽさが漂ってきません。牧歌的な雰囲気を持つメロディーとちょっぴりとぼけたような雰囲気のボーカルに、随所でちりばめられるエレクトロニカ風味なサウンドが、広がりのある空間をイメージさせます。大胆な曲展開に加えて、聴く度に新しい音の発見があるような凝った音作りになっていながらも、聴いていると妙に安心感を感じてしまう、柔らかく素朴な雰囲気が全体を覆っています。
3rdアルバム。今作ではGrandaddyの持つ「歌」の良さが前面に押し出されてます。もちろん前作までもメロディーは良かったんですが、よりとっつき易くなったというか、前作で言えば"Clystal Lake"のような一聴しただけでグッと引き込まれる、のどかで胸を打つ暖かい曲が目白押しです。これだけコンスタントに良い曲が書けるバンドってそう多くいないし、すごく貴重な存在だと思います。末永く付き合っていけそうな、そんな素朴な暖かみのある良質アルバム。