V.A/TRR 50 Thank You

★★★★

Temporary Residenceのリリース50作品を記念して発売された同レーベルアーティストによるコンピレーションアルバム。収録アーティストは以下のとおり。

1.FRIDGE/Five Combs
2.HOWARD HELLO/The One
3.KILOWATTHOURS w JDV/Jignauseum
4.TARENTEL/Bell Jar
5.RUMAH SAKIT/I Can't See Anything When I Close My Eyes(Live)
6.EXPLOSIONS IN THE SKY/The Long Spring
7.KAMMERFLIMMER KOLLEKTIEF/Eiderdaunen(Version)
8.SYBARITE/Killing The Moonshine(Version)
9.PARLOUR/Landlaked
10.HALIFAX PIER/And California
11.SONNA/The Closer

個人的に一番のお目当てはEITSの新曲だったんですが(3rd路線を突き詰めた感じの曲。轟音炸裂はないけれど、柔らかな光を連想させるギターと高みへと昇りつめていくようなドラムスが最高)、他の収録曲もほとんどが未発表曲ということで、この辺のバンドが好きな人にはたまらない内容となっています。知らないアーティストも当然いたわけですが、ここはほんとにレーベルカラーが統一されてて、素直な展開とそれによりもたらされる底知れぬ昂揚感が味わえる曲が多く、どれも外れなしの素晴らしい内容でした。ポストロックにちょっと興味があるなぁって人の入門用にも良いかも。

V.A/TRR100 Thankful

★★★★

Temporary Residenceが同レーベルのカタログナンバー100を記念してリリースしたコンピレーション。今回収録された10バンドによる楽曲は、全て新曲。

非現実的な色に犯された闇の中で笑う少女のジャケット同様に、不安と憧憬が幻想の霧中でロンドするような、蠱惑的なピアノの旋律が強い印象を放つEluviumによるインストナンバーで幕開け。

断頭台の冷たさを思わせる、鈍い光を放つ鋼質のギターカッティングとドラムの無機質な舞踏が相変わらず物凄くカッコイイSleeping People、ライト・ウエイトなバスラインがリフレインし、散発的にブラストするサキソフォンがノスタルジックなギターの流麗と共に、ジャジーに煙る茜空をどこまでもエクステンドしていくThe Driftによる楽曲も素晴らしいが、中でも個人的にベストだったのが、By The End Of Tonight/Ready? Aim. Fire!

渾身の力で叩き出されるオモチャ・ドラムのローリングを下敷きに、転調・転調・・変拍子・・・刻み弾かれ掻き毟られるギターの暴流が、渦巻く熱量をぐんぐん膨らませる。そして終盤、往年のHR/HMばりのリフを倍速で刻み、図抜けたドライブ感を撒き散らすメジャー・コードの一瞬により溜め込まれた昂揚を爆発させるその展開は、従来の激音から更に一皮剥けた非常に訴求力のあるメチャクチャにかっこいいナンバー。

音のスタイルは様々ながら、どこか背後に共通した一本芯を感じさせる同レーベルの特徴が色濃く感じられる、ハイクオリティな一枚。ちなみに今シリーズの第一弾はコチラ

http://www.temporaryresidence.com/