UNDER ELECTRIC LIGHT/Waiting For The Rain To Fall

★★★★

柔らかな光に彩られたインディ・ギターロック/シューゲイズ

Under Electric Lightはカナダ・モントリオール出身のDanny Provencherによるソロプロジェクト。本作は07年の自主製作盤から実に4年の歳月をかけて製作/リリースされることとなった1stフルアルバム。

おそらくはDanny一人の手によって宅録されただろう楽曲は、だからかとてもパーソナルな温度に満ちている。軽やかに、そしてゆったりと流れる打ち込みとハーモニー、そして溢れ出るように満ちていくファズ・ギターの福音。一般に「シューゲイザー」と前面に銘打たれるサウンドから想像するようなギターの殺傷力や浮遊感は控えめだが、どこか淡々としていながらも琴線を掴むメロディとその歌声に乗せられて、気づけばラストトラックまで駆け抜けている、そんな感じのするアルバム。

個人的なお気に入りは、RIDEの"Vapour Trail"を思わせる茜色の旋律が流れる"This Time"、背後で通奏されキャンドルの炎のように揺らめく旋律がSPIRITUALIZEDっぽい"Anyhow"、明滅するチャイミーなフレーズから鮮やかな轟音が溢れ出すラスト"Winter Time"へと連なる終盤部。昔好きだったIDES OF SPACEなんかも思い出した、少し懐かしい手触りの「インディー」な良作品。

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