UKの6人組ポストロックバンド、REDJETSONのデビューアルバム。オープニングトラック"Divorce"のイントロから、深い憂いを含んだ量感豊かなギターの音色が満ち満ちる。Vo.イアンの沈鬱な歌声（Cold
Playのクリスに少し似ている）や、繊細な光を放つチャイムの音色とともに楽曲は次第に昇り詰め、最高潮に達した瞬間ピタリと停止。肩透かしを喰らったように感じた次の瞬間、続く"Stay
Comfortable"冒頭の、一気に拡散するトレモロギターの美しい音色で昇華させられる。
旋回するトレモロギターとメランコリックなクリアディレイの音色、鼓笛隊のようなドラミングなど、彼らの音にはEITSとの近似が多分に感じられる（この傾向は特にアルバム序盤に顕著で、Tr.3で登場するギターフレーズに至っては、EITSの"your
hand in mine"へのオマージュかと思うほどにそっくり）。バンド結成後わずか18ヶ月ということもあり、EITSのような絶対的な世界観を築くには至っていないものの、楽曲に深い影を落とすボーカリストの存在が、高みへと飛翔するバンドアンサンブルを対比的に鮮やかに浮かび上がらせ、また同一のフレーズをリフレインする唄法により、EITSにはないカオティックな昂揚感を随所で生み出すことにも成功している。
ベストトラックはTr.5"...The Sky Is Breaking"。陰鬱なフレーズをゆっくりと堆積させる導入部から一転、中盤で一気に飛翔し、まとわりつく澱を振るい落とすかのように眼前で炸裂する強靭な轟音ギターが、強烈な昂揚感をもって響き渡る。EITSのようなメランコリックな轟音を叩き出すバンドはもちろん、DovesやElbow、Sea
Rayといったバンドが好きな方にも聴いてもらいたい。
EITS系譜のポストロックを鳴り響かせる、UKの6人組による2nd。今は亡きDETWIIJEが在籍した、Gizeh RECORDSからのリリースです。
琴線を柔らかな光で照らし昂揚させるインストゥルメンタルと、対照的に浅からぬ憂いや暗みの影を落とし込むヴォーカルの取り合わせ。デビュー盤のようにアカラサマに「Explosions
In The Sky」しているパートは無くなったが、同時になんら魅力的な特徴が無くなってしまった・・・という感じがする。悪くないけど取り立てて、、、というある意味最悪なパターンかもしれないが、とにかく華が無い、突っ込むポイントすら見つけられない大人しいサウンドが連綿と続く。丁寧な音作りの有り様は感じられるが、感情を突出させるでも美麗な音景で包むでもなく、というかどういう方向を目指しているのかも掴み難いサウンドに、コレといったポイントを見つけられないままfin。今、このバンドを聴く、という動機の源が何処にも見当たらないアルバムとなってしまいました。残念、というほどヒドイ内容ではないけれど、色々な点で「普通」過ぎた作品。
http://www.myspace.com/redjetson