「this is noise、、、this is noise!」
N.Yのインストゥルメンタル・トリオ、The Psychic Paramountの、オフィシャルとしては1作目となる今作。意識をブラックアウトさせかねない轟音が空間を縦横無尽に駆けめぐる、アドレナリン噴出しまくりの狂想曲。
Tr.2"Para5"、冒頭一瞬のシークエンスののち、強烈な強・烈なギターリフが牙を剥く。総身をなぶる極悪ベースの暴力と、容赦ない波状攻撃を仕掛けるドラムの乱打が正常な意識を遥か彼方へと置き去りにする。ケヴィン・シールズやこれ如何に?とさえ思わせる、その強烈な爆音にマミレタ鋭利な音塊は、ツェッペリンのライブでのインプロヴィゼーションを更に凶暴なノイズでラッピングしたかの如き様相を呈する(ちなみにメンバーのうち2人は、以前にZEP
meets CANとも評されたLaddio Bolockoというバンドを組んでいたそう)
全5曲35分。Tr.4"X-visitations"では、歪みに歪んだ爆音の海上で吹き荒ぶフィードバックノイズが幻想的な世界を創造し、微かに漏れ来る美麗な旋律が意識を昂揚させる。全ての楽曲はその場で組み立てられたような即興性を持ち、全く予測のつかない展開・転回が、聴き手のステレオタイプな期待感を見事に撃ち砕く。Lightning
Boltからシューゲの轟音好きな人まで、是非時間を割いてご一聴を。新しい世界が見えるやもしれませぬ。下記にて3曲試聴可。
http://www.aquariusrecords.org/
今春に新譜のリリースも噂される、N.Yの凄まじきラウド・ノイズ・トリオによる2枚組。タイトルから判るように、今作は1stアルバム収録曲の別テイクが収められたVol.1と、それ以前のバンドの素を詰め込んだVol.2から成っている。
そのデビュー盤では、冗談のように凄まじい録音出力にて聴き手を爆殺した彼らだが、此処ではその爆音の根幹に在する、バンドのミニマリスティックな側面が全面的に押し出されている。とりわけVol.2は、反復するエレクトリック・ギターのパルスと微細な電子音が明滅する煌びやかなアブストラクト・サウンドに覆われており、時にスペーシーな拡散により意識を散らし、また時にはアコースティックながらもBattlesに共通するような鋼質のテンションを放つアンサンブルが立ち現れては消えていく。
爆音の深淵にて渦巻く少しくオリエンタルな音の美麗。深みにて揺れ動かされる感覚が、深奥からの昂揚を喚起する。
こちらは彼らの02年仏伊ツアーを収録したライブ盤。リヨン/パリ/ナポリ等におけるギグ模様が、それぞれ編集無し一本勝負といった感じでブチ込まれている。
とりわけ強烈だったのが、仏領ペルピニャンでの演奏を収めたTr.5。その渦中にて逆に深淵なるシークエンスが垣間見えてしまうような絶なる爆音ノイズの嵐から立ち上がり、Para5〜Echoh
Airへと連なる展開は、まさに悶絶モノ。要所にて叩き込まれるJeff Conawayのドラミングが、荒れ狂う爆音の海上に覚醒の楔を打ち込む様が相当にカッコイイ。行けば間違いなく1週間は耳がオシャカになるだろうけど、是非とも生で観てみたいバンドだ。
http://thepsychicparamount.com/
(※ローマでのライブ映像等有り)
NYCの激ラウド・トリオによる2011年リリースの2ndアルバム。
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と眼がテンになる爆音は欠片も変わらず、プレイボタンを押した瞬間、全身が加圧されるようなバクオンのカタマリに襲われる。彼らなりのポリリズム、と言おうか、オーバーブーストにより歪みに歪んだ音像の中、煌めくようなリズムの掛け合いが自然発生的に行われ、遷移していくサマが心地よい。ほとんど磁場が歪んで聴こえる爆音のプールに浸け込まれ、そこから沸き立つグルーヴに突き上げられる刹那の昂揚には、なにか身体の奥底から来る、原初の類の快楽がある。デビュー盤との一緒、といえば一緒だが、ジャケットが前より格好良いのでOK。
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