PISTOL DISCO/Two

★★★★

もうのっけから、明らかに出力レベル過多なフィードバックノ!
イ!ズが頭蓋の内を蹂躙。Alexander Palmestal/Mikael Enqvistの二人から成る、スウェーデンのデュオによる1stフル。

暴力的に横溢するノイズの奔流。無規則的なリズムを穿つ、過分にエフェクトがけられたドラミング。そしてその度を超した歪みのため、ほとんどナンなのか判らなくなっているギターリフと、まるっきり地底生物の喚きにしか聴こえぬヴォーカルの咆哮、そして彷徨。

つまりはコレだけのアルバム。冒頭から終局まで余計な彩色を一切施さない、粗暴にしてある意味で非常にストイックな音の夾雑。ダイレクトに突き刺さる剥き出しのノイズと、一切の規則性を感じさせないスカッスカのドラムのコンビネーション。微弱な電子音が浮かび上がるおぼろなナンバーを挟みつつ、ユラユラギャンギャンと流れ去る50分強。

展開の起伏といったものを半ば無視するように、リズムと音圧の濃淡だけで全てを描き切るモノクロの音像は、しかしなぜか異常に鮮やかに響く。"似たような音を出すバンドは多くあるが、彼らの音が突出して刺激的なのは、その徹底したシンプルさによるのだろう"というようなことを書いていた某評にも納得。その音の形容にSuicideの名前も挙がっていましたが、聴いたことが無いので比較出来ません。好きな人は聴き比べてみたら面白いかも。Spacemen3好きも是非どうぞ。間もなく新譜もリリースされるようです。

http://www.myspace.com/pistoldisco

Radiation

★★★★

「こ、これはメタル・マシーン・ミュージック(ノイズ)の皮を被ったラヴレス(ギターの洪水)だ!さらにイーノ的アンビエンスが全体を美しく彩っている!!」

とかいった形容も為されていたスウェーデンのデュオによる2nd。やってることは前作と全く同じ。ただ、直接的な煽情性が結構強まっている。

Suicide/Spacemen3化がいっそう顕著になった音の像。"Walking With Jesus"なんちゅう、まさにそのものな楽曲もあったりする。全開の蛇口からだだ洩れするFuzzの洪水と、ひしゃげたドラム音が刻むスッカスカのリズム。ウヮンウヮンとドラッギーに空間を揺らす爆音の中を、チープな音階を鳴らすキーボードがふらふらふらっと泳いでいく。俗に言う"maximum volume yields maximum results"な世界でもあるけれど、ディスコティックなビートが弾け、めくるめく爆音の大波が揺らぐサウンドは、強烈な多幸感を錯覚させる麻薬的な高揚を持っている。気づけば頭を空っぽにして浸っている自分に気づくような、シンプルにしてバカでかい音の壁が物凄く気持ち良い。