PHEWWHOO/Phew Clap Whoo Funk

★★★★

東京発のインスト・ジャムバンドによる1st。各メンバーのキャリアは長いようで、ベース/ドラムの2人は00年代初めに活動したジャズ・ファンクバンド"界"を経て、町田康バンドやホテルニュートーキョーなどでプレイ。そこにギターやエレクトロニカを担当する2人が加わり、07年からヒューフーとして活動を開始している。

イマドキなインスト・ロックかと思いきや、経てきたモノの重みが違う、気骨あるユニークなサウンドが喜びの中枢を確実に侵していく。メロディアスにウネリ跳ぶリズム隊に、フロア志向の煌びやかなウワモノが被さる実戦仕様。つまりは、とてつもなく踊れる。あくまで日本的に希釈した黒さだが、このリズム隊のファンクネスは明らかに強靭で、濃ゆい熱をば放射する。かたやギターその他のウワモノ感性も素晴らしく、随所で闊達なイロを振りまき、全体を定義し難い多様性で飛ばしていく。

ファンクの波紋をダンスフロアのフィールドで広げて魅せる"SUSTAIN U"に"METROPP"はベースっ子にはタマラン一品で、お囃子めいたKeyの旋律が異常に印象深いキラーチューン"Natsu-Jill"は、反復の酩酊と鮮烈の覚醒で不思議な恍惚へとトリップ。粋なワウワウ・カッティングから、一瞬間だけ我を忘れてブチ切れるギターが素敵な"De La Moon"なんて曲もあり、冒頭の言へと還るが総じて非常にハイレベル。で、踊れる。まくれます。表面的な尖がり具合や艶めき具合は控えめながら、芯の通った本気気質のグルーヴは、先のsgt.のアルバムを気に入った人にも届く魅力を備えておるように思います。

http://www.myspace.com/phewwhoo