MOTHER MOTHER/Eureka

★★★★☆

たとえばMEWの近作なんかも脳裏を過ぎる、クールな色彩と美しいリズム、そしてメランコリックなメロディに縁取られたハイブリッド・ポップ。カナダはバンクーバーの5人組によるこの3rdアルバムは、年間そう何枚も出てこないだろう極めて高い音楽性に満ちている。

そのオープナー"Chasing It Down"出だしでの、さながらTOPLOADERのようなアナログKeyの昂揚から、メランコリックなメロディへと落ち込む落差、そしてEL&Pを思わせるキメへと至るわずか数分で、ココロは陥落。オフザケ気味の韻律が弾ける"The Stand"は90sのUSパワーポップを思わせるカラフルさで、以降もクールでカラフルでキュートな3Cミュージック(なんじゃそら)が次々と展開される。

たとえばベースラインにはPIXIES、あるいはそのギター・テクスチャにはSONIC YOUTHといったUSオルタナの香りが感じられ、それ単体でもトキメクのだが、そこへ珠玉のメロディ/ダークなメランコリー/キュート過ぎるツインヴォーカルといったピースが精緻に掛け合わされ、組み上げられるパズルには、めちゃんこアーティスティックな興奮が宿る。いわば「この組み合わせでこんな風になるんだ!」という知的探求の喜びにも似た興奮が連続する、アルバムタイトルに負けることのない快作。

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