LIAM THE YOUNGER/Revel Hidden Worlds

★★★★☆

乾いた爆音、そして強い渇望を滲ませるエモーション。

TITUS ANDRONICUSのギタリスト/Liam Betsonがリリースしたこのソロ・アルバムには、まるで個人の力ではどうしようもない巨大な何かにぶち当たったかのフラストレーションと、しかし半ば投げやりにそこへ突っ込んでいく、繊細であるがゆえに危険な熱が渦巻いている。

夜の闇に混じり溶けていく身体を見つめているような、確かな肉体の実感と、漠然とした不安、焦燥が入り混じるサウンド・スケープ。乾いたメロディが反復して充満し、Neil Youngばりのひび割れたヘヴィなギター・リフが空間を揺らす。ソロアルバムとはいえ、この漠として広がる空間と、そこへ巨大な昂揚を雪崩れ込ませるサウンドの核心は、TITUS ANDRONICUSのそれと全く変わらない。いやむしろ、爆音とともに飽和し溢れ、何かへ駆り立てるような感情の波はこちらのほうが強いほど。それにしてもなんだろう、このやるせない昂ぶりはをもたらすメロディは。ある者は今の自分を投影し、ある者は在ったかもしれない物語を重ね視て切なく胸を焦がす。

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