サイケに揺れ立つプログレッシヴ・ロック。NYはブルックリンのトリオ（＋サポート数名）による新作。
深いリヴァーヴのかかった空間で展開される、ジャズ畑寄りのフリー・インプロヴィゼーション。VocokeshやSubarachnoid Spaceなど、Strange Attractors所属のアーティストを思わせる、模糊とした空気を纏った深く歪んだ音の連鎖。
全体へ強烈なリヴァーヴをかけながら、その内部ではかなり目まぐるしいインプロを展開。ある時はドラム・ラインが手綱を引く中でギターが踊り、また別の瞬間には、放埓なリズムを叩き潰すように中期クリムゾンライクなリフが上段から振り下ろされる。
時折ファニーな喚きを上げる鍵盤の絡みを含めかなりそつなくこなされる感のある全4曲/分からは、強烈な引力には欠けるものの、なかなかに高い構築美と昂揚を感じます。
無意識下でその夢中夢へ身を委ねることも、あるいは意識的にその闊達な音の応酬へと乗じることも出来る、奇妙にアブストラクトな攻撃音。上記バンドを含め、この手のサウンドが好きな人は一度聴いてみてください。
http://www.myspace.com/laotracina