UKはニューカッスルの4人組/Kubichek!のデビュー・アルバム。クッキーシーンにてMogwaiやらGY!BE、Trail
Of Deadの形容と共に紹介されていたが、その音を聴いて脳裏に浮かんだのはあのバンド。
湧き上がるイントロから雪崩れ込むTr.2"Roman Is Better"。バタつくドラムの旋風に、ギラつくギターの刃が切りかかる。そのキャッチーなメロの後景に、紛々たる焦燥を匂わせ歌い上げるヴォーカリスト/Al
McDonaldに引きずり出され、鈍い光の轟音がせり上がるその展開/質感は、同じくUKのロックバンド/Seachangeのそれを思わせる。
しかしながら両者の決定的な違いは、「時流を捉える」とでも言うべきその感覚か。Kubichek!の楽曲は要所要所にてSeachangeには無い「今」を感じさせる音を鳴らす。ここぞ！とばかりに臆すことなく四つ打ちビートを叩き込むキラーチューン"Nightjoy"を始めとし、実にストレートな衝動を煽り立てる瞬間が随所にもれなく埋め込まれている。ズンズンと畳み掛け襲い来る即効性のファクターが、実は負のベクトルを大きく持っていそうな各音を一気に染め上げ、場をダンサンブルな快楽空間へと変えてしまうから面白い。
最近流行りのキャッチーかつダンサンブルなロックバンドとの共通項を持ちながら、しかし彼らの音には何か根本的に異なる匂いが漂う。そこが面白い。アルバム中に2曲ほどある「ポストロック」風な楽曲は個人的には無くても良いと思うが、それを割り引いてもアルバムのクオリティはなかなかに高い。次作こそが正念場。頑張れ！
http://www.myspace.com/kubichek