そのドス黒さが既にしてドラマティックですらある暗黒音渦で空間をヒン曲げるSweden産トリオ、2年ぶりとなる2ndアルバムにて再び、降臨。
光か闇かと問われれば微かな光芒も見い出せぬ闇、正邪を問えば圧倒的なまでに邪な紅蓮の炎として映る爆音を掌るポストメタル。重力のクビキから解き放たれた重低音が悪魔のように踊り、全景を完膚無きまでに叩き潰すこの壮絶な快感はなんだ。歪み、うち拡がり、あらゆる気力を打ち砕く怒涛で押し寄せる憎しみと敵意と破壊衝動に満ち充ちた悪魔そのもののようなグルーヴ。黒山の如き音塊が凄まじい量感で押し寄せるオープナー"Unholy
Water"のひしゃげた狂気が去り、代わってPINK FLOYDばりの郷愁と鬱々しさがない交ぜになったようなイントロが燻らされるTr.2"Essence
Asunder"は、しかし3分後に突如凶悪なナニかを発動させ残る10分以上をもはや畸形なまでに増強された怨嗟の下に跪かせる。
抜け殻と化した全身に染み入るように美麗な旋律が降る"Tank Pa Doden"を挟み、怒張したメタリック・リフが猛然と踊る"Voice
Of The Below"では空間の支配者として自在にその密度を広さを変じてみせる。虚無の地に広がるメランコリックな情動フレーズを前奏に、やはり「負」そのものを思わせる極悪葬送メタルを15分超に渡り刻み立て、破壊の限りを尽くして去るラスト"Shadows
Of The Shapeless"にて満足のゲップと終演。こんなイキモノが居たら、まじで怖いよ。UfomammutやLent0、Ancestors辺りが好きな人は、是非。
http://www.myspace.com/kongh