ANCESTORS/Neptune With Fire

★★★★

クリムゾンテイスト溢れるジャケにもそそられる、L.A発の5人組POST METALバンドによるデビュー盤。共に20分前後に及ぶ2トラックを収録。

サバスのおどろおどろしさ、Hawkwindのスペィシーな放擲感、クリムゾンめいた邪悪な鉄槌、ピンクフロイドの幻想譚を血肉として発動する世界に震える。たとえそれが借り物であろうがなかろうが、オマエの物はオレの物/オレの物はオレの物!と言わんばかりの傍若無人な振る舞いが、楽曲のヤサグレ度合いと異常にマッチしており威力倍増。

極限にブーストされたリフの轟音と、野郎臭全開のヴォーカルに引き摺り込まれる導入部から、スペーシーに収斂する中盤〜メロディアスなグルーヴ主体の爆音螺旋でクソ喧しく昇天するTr.1"Orcus Avarice"、教会音楽めいたゴシックなオルガン旋律から入るTr.2"Neptune With Fire"では、破壊的な爆音が轟き渡り、徹底した荒廃っぷりがかえって清々しい広がりを実感させるNEUROSIS系の世界を展開。ジプシーの悲哀めいた女声も絡めながら、最後の最後まで強烈な推進力で振り廻し酔わして休む間もないよナイメリア・・・

判別すれば間違いなく悪人/ダメ人間の類に属するサウンドだが、全く悪びれることのない悪漢オーラには一種のジャイアニズム的な魅力が漂っており、逆らうこと到底能わず。楽曲のパワー/展開のウマサも併せて極上の按配です。それにしても最近のTEE PEEはモロ好み過ぎて、TEE PEEナイツなんてやってくれたらその場で彼女に結婚を申し込む自信があります。

http://www.myspace.com/fleshintostone