THE GRAND ASTORIA/Omnipresence

★★★★☆

前作から8ヶ月、2011年の幕開けと共に早くも3枚目をリリースしてきたロシアはサンクトペテルブルク発のSTONER/FUNK。過去2作、とりわけデビュー盤には光るナニかを感じたが、初めてタイトルらしいタイトルを付してきた今作で大化け。サイケ、というよりは大気圏を打ち破るスペィシーなSTONER色を機軸に、しかし彼らなりのモダンなミクスチャーが加えられた楽曲がとんでもなくユニークな破壊力を放つ。

のっけからB級スラッシュなシンガロングとパワー・リフをエンジンに文字通り「終末」へと突っ込んでいく"Doomsday Party"、クドイほどにハードロッキンな様式をファンキィでスペィシーな跳躍で飛ばしてみせる"Hungry & Foolish"、怪物馬力のFUZZリフと畳み掛けるようなヴォーカルが叩き合って爆走する"Rat Race In Moscow"、ファンクのリズム全開の"The Song Of Hope"や、さらにイロめくシンセを注入する"Stonewall"と、イカした曲が立て続く、、、が!

なかでも圧巻はTr.6"Something Wicked This Way Comes"
レイ・ブラッドベリ原作/同名のディズニー映画からサンプリング・コラージュし、爆発的な語りっぷりを展開する12分間!これはMAYBESHEWILLもビックリの音像で最強にカッコイイ!とにかく全編を通じて楽曲のアレンジセンスがとんでもなく素晴らしく、STONERやらなんやらの枠を超えたバンド独自の世界がガッツリ表現されている。ってなわけで今月の圧倒的ヘヴィロテ超オススメ作。

http://www.myspace.com/thegrandastoria