FUTURE OF THE LEFT/Curses

★★★☆

05年に解散したMcluskyのAndy Folkus(vo,g)とJack Egglestone(drum)が、同郷ウェールズのJarcrewのメンバーと結成した3ピースによるデビュー盤。その根本にPIXIESの猥雑さ、SHELLACやBIG BLACKの暴力性が在るのはMclusky同様ながら、全体に弾けたノリの良さが加わったのが印象的。

Mcluskyがエッジの立ったモノクロームの風景だとしたら、今回はそこへ幾つか色が加わり、彩度の上がった音景とでもいうか。反復を叩きつけ絶叫に至る手法は変わらずとも、その中にシリアスさや切迫感は見つけ難く、むしろ馬鹿騒ぎにも似た賑やかさが際立ち飛び込んでくる。

バッシバシの音圧でキメるドラムが素敵。ブリブリのリフで加速するベースにアジられながら、歪み全開のギターに側頭を張られるこの快感。ラップも噛まし、奇声も発するAndyが、対のヴォーカリスト/Kelson Mathiasと肩を組みガナリ立てるラウドな音のカタマリは、端々でUSミクスチャーバンドっぽい馬鹿さ加減を投げつけてくる。

加速するBPMにつれ、テンションもアガる後半部はなお良ろし。バスドラの極太変拍子でシバキ倒される"Kept By Bees"や、オフスプめいたおフザけで迫る"Small Bones Small Bodies"、享楽的なムーグが乱舞する"Team:Sead"など、どんどんアゲアゲで攻めてくる。Mcluskyとどっちが好き?って聞かれたら"Mclusky"と答えるが、あえて並列して比べる必要も感じない。Mclusky知ってる人も知らない人も、一回聴いてみたらいいと思う。

http://www.myspace.com/futureoftheleft