スペイン産音響ポスト・メタル/Exxasensの1st。宇宙船モグワイ号が月面着陸を敢行したような(イメージ、不明)ジャケ写そのもののスペェィシィイィィな音響空間を創出。
全体を深いリヴァーヴで囲った全10曲/45分。孤立的な郷愁を掻き立てるメロディと、打ち込み主体の人工的なビートがまろび合い独特の浮遊感を醸成。すかさず強靭なディストーション/シンセの大波が全体をドラマティックに撃ち砕いていく。
"スペーシー"という点からは昨年のMASERATIのアルバムにも通じる内容ながら、コチラの『宇宙空間』には良い意味でのD.I.Y感が色濃く漂う。書割的な大仰さではなく、巧みに内で完結させた小宇宙。ビートにノセる/爆音で放つというシンプル・マターが素晴らしく効果的に響く展開がスバラシイ。轟音による攪拌の前段階として投入されるリフの刻みは、後半へ行くほどにメタリックな直情性を増幅。先のポストロック的な展開に加え、縦方向の快楽が昂揚中枢をバシバシと殴打する。
宇宙船との交信めいたサンプリング・ナレーション含め、一昔前の手法にも聴こえるサウンドながら、その実体性の無さが全体に妙なロー・ファイ感を醸しておって何とも言えず魅力的。食傷気味だったこの手の分野で、久しぶりにぶっ通しで聴けた好アルバム。オススメ。
http://www.myspace.com/exxasens