EF/Give Me Beauty...Or Give Me Death

★★★★

先に紹介したComradeともレーベルを同じくするスウェーデンの5人組ポストロックバンド、EFのデビューアルバム。

鳴動する大地の気配
雄大に揺れ動き
震える空気

あらゆる事物を包み込むような広がりのあるその音は、Sigur Rosの再来とも称される。サウンドの基幹部分を成すギター/ベース/ドラムによるアンサンブルは、北欧バンドに特有の凛とした空気と感傷に満ちた風景を描き出していく。そして全編に渡って織り込まれるチェロの美しい旋律。人間の声域に最も近いと言われるこの弦楽器を効果的に用いながら、アコーディオンやメロディカの牧歌的な音色とともに美しく、幻想的な世界を創造していく。時折思い出したかのように歌われる、男女混声ヴォーカルが育むノスタルジーもまた非常に魅力的。

ピュアな音因子がもたらす昂揚、万能感、喜びといった感情を最大限にまで引き出すEfの音楽。そのアプローチ自体は極めて正統的なものでありながら、限られたバンドにとってしか成しえない、幽玄的で壮大なスケールを描き切ることに成功している。センチメンタルな音の明滅から、直情的にバーストする轟音パートに至るまで、徹底的に純朴で、美しい光に満ちた作品。

http://www.myspace.com/ef
http://www.efmusic.nu/