DYSRHYTHMIA/Barriers And Passages

★★★☆

ぶっ飛んだ律動を刻みまくる、フィラデルフィアのトリオによる4th。こちらでの紹介を見て知ったバンド。言うところのマスロック、、、なんだけど、一体どんな頭してたらこんな展開が出来るねん、っちゅう超変則の音/リズムが錯綜する。それこそまさにDysrhythmia=律動不整。

ほとんど5秒と姿をとどめず、次々と変態する複雑なリフ/リズム。Kevin Hufnagel(guitar)の手にかかり、ギャリギャリと暴力的に変形していく空間からは、さながら衝動へと音が流れることを否定するような、ストイックなまでに徹底した意志を感じる。一方で、弾き出される音塊自体はかなり獰猛。Relapseらしい屈強な肉体性を有するビートの跳梁、堅い硬いリフは威力大。あらゆる側面で暴れるKevinのギターワークに加え、今作からバンドへ加入したColin Marstonによるベースプレイがまたえらく格好良い。鉄鎖を引き摺るような重低音から、粒を揃えた高速ラインまで、バンバンと前面へ打ち出し主張する音に痺れます。

硬派だと思っていたSleeping Peopleがエンターテナーに、はたまた無秩序の塊だと思っていたTera Melosさえもキャッチーだと思えてしまうほどに、Dysrhythmiaの楽曲には強烈な抑制の気配が張り詰めている。全く簡単にイカせてくれないこの暴力的なサウンドは、確かにどのジャンルにも属さない独特のルールに則っているように思えます。

http://www.myspace.com/dysrhythmiaband