DIE!DIE!DIE!/S.T

★★★☆

ザラザラとしたプリミティブな衝動を叩きつける、ニュージーラーンドの暴発的スリーピースによる1stアルバム。プロデューサーは御大ステイーヴ・アルビニ。

耳朶を殺傷するカミソリギターに、猛る土石流の如くクネリ狂うベースの暴圧。バタつくドラムが性急に打ち乱れ、ラウドにラウドに限りなくラウドにレイジをブチ撒ける。内にはち切れんばかりの衝動を漲らせ、矢継ぎ早に破裂させながら歌い叫ぶAndrew Wilsonのヴォーカルは、目が合っただけで殴りかかってきそうな危うい雰囲気をプンプンに漂わせ、内に渦巻く漠とした怒りをクソ真面目に吐き出しながら爆ぜていく。

FugaziやSonic Youthからの影響も強く感じるサウンドだが、このどうしようもなく真摯でダサく、その直情的なパッションが心を揺さぶる感覚はPixiesに最も近いか。演奏技術はおそらく最低ラインに近いものながら、しかし聴き手を引きずり込んでモミ洗う、青臭く若い衝動がハッキリと感じ取れるところが良い。表層的な起伏の少ない楽曲群に、殺傷性のアクセントで絶妙な表情を与えたアルビニの手腕も素晴らしい。

21分48秒の全10曲
生き急ぐかの如き音塊が 直情的に弾け飛ぶ

http://www.myspace.com/diediedienz

Promises, Promises

★★★

パンキッシュなガレージサウンドをがなる、ニュージーランドの3ピースによる2nd。前作から2年ばかし経つわけだが、やはりと言うか、全然巧くなってない。笑

2つ3つのコード使いで前進するギター、音の圧のみを押しつけるベース、不器用にバタつくドラムなど、三者揃って(良く言うなら)この上なく直情的。こうなるともう、フロントマンの存在感が全てになってくるわけだが、デビュー作でそのヤバイ香りをふんだんに匂わせてAndrew Willsonも、今作ではハッキリ言って十人並み。己が何にムカついているのか分からんままにキレているような、前作でのある種デタラメなアグレッションが感じられない。逆に、己は何に対してキレたらいいのか模索しながら歌っているような中途半端さを感じたり。

だからか余計に、中途半端に入ってくるキーボードを始め電子音の装飾の安っぽさが悪い形で耳につくため、結構しんどい。救いはラスト2曲で、ここへ来てやっとヴォーカルのキレ味が戻ってくる。こういう風にノってくるとこのバンド、結構カッコイイんだけどな。デビュー盤はアルビニ録音だった、ってこともデカイと思う。プロデューサーは偉大なり。

http://www.myspace.com/diediedienz