米ペンシルヴェニアの5人組によるデビュー・アルバム。鳴り響くのは、CASPIANの系譜に属する大空間の轟音インストゥルメンタル。
静から動へ、といった類のカタルシスではなく、むしろ全景が一挙に膨れ上がるようなサウンドスケープと、一人の男が描く強いメッセージ性を持った世界観が特徴的。早くから全開にされる轟音のバルブ、頭上にて鳴り響き、天空から降り注ぐように叙情される美しい高域のフレーズ。この強力な2本の柱を中心に組み立てられる楽曲群が、コトバを超えた高揚感を放出する。絶望的なマーチングドラムに連れ去られる"Exiles"、眩い光に充たされた大階段を昇っていく高揚感が素晴らしいラスト"The
Long Rain"に至るまで、「感傷」という名の心地よい、自分だけの陽だまりの中へと浸り続けることが許される、そんな快作。初めに書いたように昨年のCASPIANが良かったという人にオススメしたいが、このあたりの好き嫌いはもう、形や理屈を超えた部分に在るなぁとも思う。現行CDは50枚限定。欲しい人はお早めに。
http://www.myspace.com/deadhorsepa