ASG/Win Us Over

★★★☆

Stonerと聞くと何やらこう、土埃に塗れた無骨なサウンドをイメージするわけだが、ひび割れ歪んだ爆音のリフ・ロールに、メロディアスで清冽なフレーズが飛び込んできて悪いワケは無い。そんな一風変わったサウンドを展開するのがこのNorth Carolina発のASG。本作は07年リリースの4th。

爆音で地を捲り上げるような重低音のリズム隊と、不協和音的に軋み喚くツイン・ギターの地対空舞踏。メタリックなリフで巻き込む昂ぶりも併用するサウンドは、ドゥームにもストーナーにも転げうる重圧捻転仕様。しかしながらそこに絡むヴォーカルは、ドロドロとは間逆の鮮烈なエモーショナルを迸らせてくる。

エモい。とにかくエモい。クリーンな声音で歌い上げ、シャープな絶叫をブチ撒けるJason Shiのヴォーカリゼーション。楽曲を瞬間的に沸点へと持ち上げる歌声が、爆音にノタウツ演陣との間に鮮やかなコントラストを描き出す。メロディアスで爆心圧も十分な冒頭4曲は文句無し。が、アコースティックなTr.5を挟んでいささかトーンダウン。猛進を止めて楽曲中で緩急を付け始める中盤部では、そのエモさが仇となりやや失速。

Tr.10"Gallop Song"で持ち直すも、初っ端のインパクトと比べるとやや物足りないかしら。いくぶんエモーショナルに流れすぎるキライはあるものの、この組み合わせはTorcheとか好きな人は結構ハマるかもしれんサウンドです。

http://www.myspace.com/asgmusic