AERIAL/Black Rain From The Bombing

★★★☆

スウェーデンの4人組、Aerialの1st。ギターロック、シューゲ、エモ、、、くるくるくるりとその表情を変えながら構築されていくサウンドが、澱みなく漏れ来溢れ出る全4曲/36分。

五月雨式のクリアギターからリヴァ―ヴがかったフィードバックの洪水まで、空間を自在に駆け巡り錯綜するインストゥルメンタル群。時おり湧き上がるボーカリゼーションも、ある時はエモーショナルに場を牽引し、ある時は怒涛の体で逆巻き旋回する弦楽器群の上を幻想的に浮遊する。

途切れることなく紡ぎ出されるキャッチーなフレージング/流れるような展開とともに、全ての音が激烈に渦巻き咆哮するノイジーギターへと溶出していくTr.4"yet recalls nothing save"の13分間をはじめ、バンドの基礎体力の高さを窺い知ることのできる作品。ここに何らかの求心力が加わればカナリスゴイバンドになりそう。

ちなみにTr.1"Black Rain From Bombing"では、『火垂るの墓』での1シーンがサンプリングされている。トラウマに近い「重さ」を経験したアニメなだけに、個人的には【感傷】を超えて【恐怖】に近い感情を喚起させられてしまいましたが。。さらに余談ながら、当サイト掲載のパワーポップバンドとは同名ですが全くの別モノ。

http://www.nomethod.se/Ecard/Ecard060131.htm