FMTM/WORRIER/LITE/MIRROR@鰻谷SUNSUI

名古屋公演終了後そのまま一泊し、昼過ぎにバスで難波へ。早めの晩飯を黒門ラーメンで済ませ、18時25分に会場入り。SUNSUIにしては珍しく、定刻ちょうどにスタート。一発目はMIRROR。「カレーも二日目の方が旨いですから」ってリーダーがウマいこと言うとったとおりなのか、はたまた昨日のリズムを身体が覚えていたからか、昨日を上回るノリで弾け飛ぶ、みずみずしく端正で、エネルギッシュなアンサンブルにがっつり踊らされた。

19時頃過ぎからLITE。開幕曲が"Ef"なのは昨日と同じだが、今日はこっから続けて"Sun Sank"へ。壮麗ともチープとも言えるプログレッシヴなKeyを主に、小刻みなキメを連発しながら目くるめく。今日のセトリは完全にバンドの新しいナンバーが主体で、ある意味コッテコテの鍵盤旋律を大胆な武器に、単なる「マスロック」以上のダイナミックな昂揚感を端々で描き、放出していた。これまた昨日以上にブンブン踊らされました。

20時を少し回ったところでWORRIER。やっぱり今日もLITEが終わって前方が一気に空いちゃったんだけど、昨日と違うのはそれなりにフロアのテンションが高かったところか。名古屋では気の毒なぐらいの緊張感が伝わってきたバンドも、今日は大阪のある意味無理やりなノリにうまーく乗せられたのか、グッと気の入ったパフォーマンスで押してくる。昨日TシャツをビロビロにしたVo.は、今日も今日とてタンクトップを掻き抱き、変則的なテンションで全体に発破をかける。そう、なんかこのバンドの沸点てヘンなのよね。フイに飛び出すキャッチーなメロ、突如始まる飛び道具的なギターフレーズ、わずか1秒に満たないハンドクラップが繋ぐ連帯感に翻弄されるうちに目の前では常軌を逸したエモーションが炸裂しているという、妙なクセのあるサウンド。昨日は不機嫌だったステージ左手の髭もじゃギタリストも、今日は「今までのどのオーディエンスより最高だ!」とご機嫌なプレイをみせていた。名古屋の人には悪いけど、今日のが断然良い内容だった。

21時05分よりFMTM。昨日と同じく最前列で、自分にとってラストとなる彼らのステージに臨む。名古屋ではFrancisのラップトップが若干トラぶってたりしたが、今日はそんなこともなく淡々とセッティングが行われ、暗転。オーディエンスの数は決して多くないんだけど、きっとこのバンドのことが大好きなんだろう人が集まったフロアには、すごく良い雰囲気があったように思う。イントロが鳴った瞬間に歓声が上がった"Deafening"から、昂揚の臨界点を軽々と飛び越える"Beyond God & Elvis"へ。決して折れることのない芯を持った、強く優しい音が目の前で移ろっていく。名古屋でのハイライトがこのオープニングの2曲だとしたら、今日の主役は本編最後の"An Ounce Of Prevention"だった。強さも優しさも、激しさも儚さもその大らかな流れの中に孕んだエモーショナルなメルティングポット。何度も何度も何度も聴くたびに胸を熱くさせられたラスト3分間の展開には、だから今日はなんだかもう、わけがわからない感情の昂ぶりに襲われた。

この曲に入る前Matthewは"we don't have much time tonight, so this is probably the last song"って言ってたが、その時会場から"彼が言ったのはprobablyでdefinitelyじゃない。probablyはmaybeだし大概maybeってのはNoってことだ。だから彼はもっとたくさん演るはずだ!!と言ってくれた外人さんナイス!そんな「まだまだ全然足りない!」っちゅうフロアを満たすべく、アンコールに昨日は演らなかった"From The Mountains To The Prairies"をプレイし、終演。

終演後に少しだけMatthewと話をすることが出来たが、彼は今後、今回のツアーで同行したErikと別バンドをやる予定だと言っていた。Matthewがベースを、Erikがドラムを担当する「Jesus Lizardみたいにヘヴィなサウンド」らしい。まだツアーやレコードを出す予定なんかは全然無いみたいだけど、「いつかまた、どこかで会えることを願ってます、ありがとう!」と言ってお別れ。本当にありがとうFMTM、ほんまに大好きなバンドでした。ありがとう。

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