FMTM/WORRIER/LITE/MIRROR@名古屋 CLUB UPSET

このJapan Tourを最後に解散することが発表されたFMTMの名古屋/大阪公演に行ってきた。4月28日午後6時半、名古屋。雑居ビル5階にある会場の池下CLUB UPSETに入るとちょうど一組目のバンド/MIRRORが始まったところ。東京発の4ピース。変拍子仕立てのインスト・サウンドなんだけど、バッキバキの激しさではなく、一種爽快な、流れるようなフレージングが立っていてそれが物凄くきもちいい!全部で5,6曲演ったけど、イマイチなのは一っつもナシ。こういうのが一発目だとほんとにいい!

続いて19時を少し過ぎたあたりでLITE。お馴染み"Ef "〜"Tomorrow"へと流れ破竹するオープニングは、楽曲のカッコ良さはともかく、悪く言やなんだか手癖で演ってるような感触もあってちょい微妙、、、と思いつつ観て(踊って)た。が、続く新曲はアメリカ・ツアーもこなしてきたというバンドの基礎体力の上がりっぷりをハッキリと体感する、ヘヴィネス/ダークネス2割増のナンバーでさらには立て続けに放たれたも一つの新曲では、ベースの井澤氏がタムを叩いてプチ・ツインドラム体制になったりとこれまたかなり熱くてカッコイイ!プレイヤーの温度が全然違う。時間にして30分程度のステージだったが、無駄なく締まった好内容のソレでかなり良かった。

ところで今日の名古屋、お客さんは50人いない程度かも。しかもLITEが終わるや一気に前方が空きまして、最前列でも余裕で踊れるガラ空きっぷりがちょい淋しい。そんな中、20時を少し回ったところでUS/ウィスコンシンのWORRIERがステージへ。ツインギターにドラム、それに楽器ナシのVo.がくっついた少し変わった4人編成。飛び交うMATHなフレーズにNEW WAVYな狂騒っぷりが突き刺さる、カラフルに吹き飛んだ音模様。で、キモとなるのもやっぱりこのヴォーカルで、歌詞ともども危うい脆さ/ナイーヴさ全開のステージングにはかなりキワドイ感覚がアリ、、、緊張のためTシャツ引っ張りながら絶叫し(終演後にはビロビロ)、直後フイに虚脱するこのヴォーカルはかなりオモロくて笑ったが、このツアー以外にはまだライブ経験ほとんど無いのでは!?と思わせるステージは若干危う過ぎたかも。おそらくバンドとしての本領は発揮出来なかったのではないかしらん。

そして今日のメイン、FMTMへ。既に数ヶ月前にバンドを離脱したSergioに代わり、今回のツアーではErik Kuhn(Silian Rail)がサポート。淡々と機材を並べるメンバーを見てるだけでかなり感傷的な気分になってしまったが、止まることのない時間は流れ、21時を少し回ったところで開演。

オープニングは"Deafening"
一時期延々とリピートした、それぐらい、本当に大好きな楽曲。なのでイントロのトレモロが鳴った瞬間に激越な感傷/高揚感に巻き込まれる。「どうして人間は物事の解決に暴力を用いるのか?」というサンプリングから突入した"Beyond God & Elvis"、優しい旋律に導かれ、タッピング・ギターのパルスに遊ぶ"Comrades & Friends"、地鳴りのようなフィードバック・ノイズから、誘われるように完璧なディストーション・ギターが炸裂した瞬間が最高にキマっていた"An Ounce Of Prevention"と、忠実に再現されながらも、随所でダイナミックなアレンジが効かされた楽曲群が最高に気持ちいい。全5曲という、あまりにもあっという間の本編終了に当然満足できるわけもなく、アンコール。再びステージに出てきたMatthewが「本当にありがとう。これが日本での最後のツアーで、バンドの最後のツアーなんだ。だから、もう1曲だけプレイしたいと思う」と一瞬言葉に詰まりながらコメント。およそ計り知れない、きっと様々なやり切れない気持ちもあるだろう、そんな思いの丈が篭められ叩き付けられるような、轟音の炸裂がステージ上で弾けた"Let Them Know It's Christmastime"で終演。明日の大阪へ続きます。

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