CINEMECHANICA@鰻谷SUNSUI

まさかの単独来日です。でも、、、集客大丈夫なん?と若干心配しつつ、仕事を終えて19時半頃に会場入り。するとちょうど山形の4人組/SHIFTが始まった。トガった変拍子の積算でチャージしたアグレッションを、一つ箇所でバッシャーンと炸裂させ炎上する楽曲群。勢い任せで楽曲の表情や技術は荒削りなんだけど、ヤケっぱちにも聴こえる4ビートの煽り&しっかりハイってるヴォーカルのアゲっぷりがステキに直情。アタマをうち振り、キモチ良く躍った。20分弱でシメる短期決戦も潔くて良いネ。

ドラムセットがずずいっとステージ最前に押し出され、30分ほどの転換を挟んで20時半からCINEMECHANICA。オレタチハシネメカニカデゴザルー!ってなMCから始まったが、うはー!スゲェ!比較に出して申し訳ないが、さっきのSHIFTとは音の輪郭も圧も全っ然違うのねー。開演前にドラムのMike Albaneseがスネアの細かな響きを微調整してたのが印象的だったが、ほんとライブが巧いバンドって、セッティングがスピーディかつ隙が無く、始まる前から半ば無常なまでに他バンドとの巧拙がパッキリ見てとれる。

そんな「鳴り」の鮮烈を一瞬で刻みつけたオープニングは、先にリリースされたEPから"Rivals"。続けざまにアルバム"The Martial Arts"のアタマから2曲を連発。勢い余ってややバラけ気味の部分こそあれ、叩きつけられる音が放つ激しさ、ドライヴ感はCDの比じゃないネ。身構える間もなく飛びかかる変則フレーズに、爆発的に合算される猛烈なアンサンブル。ハードコア寄りのブレイクを強烈に体感させる爆裂っぷりが想像を遙かに超えておりカッコ良い!そんな「HCの熱気×マス気質のテクニカル」ちゅう彼らの魅力を倍加で感じる一方、意外な驚きは、その轟々たる爆音ツナミの積算から移ろっていくドラマティックな展開の素晴らしさ。rivals収録の"Kurosawa"なんてもう、CDとは別モンじゃん!ってな劇的な重爆アンサンブル。燃えまくった。個人的にめっちゃ好きな"I'm Tired Of Paul McCartney"で沸騰するうち「last song……」だとッ!そうそう、やっぱりというかなんというか、この日の客入りはかなーり寂しく、ざっと見て30人もおらん。が、自分も含め前方を中心に実にええ感じに盛り上がっており、メンバーもそのノリにかなりご満悦でテンションうなぎ昇りの好スパイラル。で、このラスト宣言も「エェーッ!」の声に撤回して「two more songs」に増曲されました。快楽中枢を直撃するリフに切り刻まれる"Ruins Of Karnac"から、アルバム中最もヤヴァ黒なグルーヴ渦巻く"Take Me To The Hospital"へ。これがまた先の「轟音ドラマティック」がビシビシと感じられるスゲー楽曲に化けており、これでもかッ!これでもかッ!と襲来する爆音の波状にメロンメロンになっちまった。数こそ少ないながらも熱狂的な拍手と歓声が飛び交い、自分も切に「アンコール」を要望。ギターのMattが「もう演れる曲が無いんだ、ゴメン!」と言って引っ込むもお構いなしにアンコール要請。出てきたメンバー、若干疲労の色が見えつつ、でもそれ以上になんだか嬉しそうに「じゃあまだ完成してないやつだけど、新しいのを一曲演るよ」といってアンコール。これがまた、今日これまでで最高潮といってもいいアグレッション全開の楽曲で、最後にこんなの聴けて幸せすぎデシタ。実はそこまで期待せずに臨んだライブだったんだけども、先のEPの楽曲の変貌ぶりを筆頭に、ライブの良さをモロに体感できた素晴らしいアクトでありました。こんな良いもん見れて、バンド並びに招致関係者に感謝!です。

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