SPIRITUALIZED@名古屋クラブクアトロ

5年ぶりの単独公演。仕事が暇な時期だったこともあり、早くから名古屋への遠征を決めていた。サマソニへの出演で、ここ日本での人気/知名度も上がったのでは?というこちらの予想を綺麗に裏切り、各公演ともチケットの売り上げは芳しくない模様。会場の名古屋クアトロへ開演間近の19時半頃に到着するも、おそらく客数は100にも満たない。そんなアメイジングな客入りを他所に、定刻通り会場が暗転し、お馴染の"PURE PHASE"が。ゾクゾクするような静けさに満ちたステージへ、コーラス隊のお姉さん2名を含めた7人のメンバーが登場し、位置についた。

そしてなんとまぁ、オープニングは"Amazing Grace"でありました。祝砲めいて散発するドラム、ゆったりと波打つ轟音ギターが空間を膨らませ、それを切り裂くフィードバックノイズの咆哮から"You Lie You Cheat"へ。終盤の一斉砲撃ノイズが全方位を撃ち砕き、刷新された空間へ拡散する"Shine A Light"、、、アァっ!この曲好きすぎる!ゆっくりと弧を描き、螺旋を成して昇りつめる展開に早くも心は天上へ。ところで最近ベースがまた代わったんだろうか?紅顔の美青年が緊張した面持ちで慎重にプレイしていたのだが、そのベース、並びにギターがかなり引っ込んで聴こえ、逆にVo.の出力がかなり大きい。それもあってか、Jasonのメンタリティがそのまま映されたような新曲群はライブでもそうした色をそのままに、良くも悪くもジックリと聴かせる私的な側面を色濃く打ち出し鳴っている。アコースティックver.になっていた"Walking With Jesus"含め、全体的に「心地良い」という枠内に納まって進むステージ展開が印象的だった。しかしながら"Cop Shoot Cop"で空気は一変。ダウナーな旋律の反復から、黒い闇が繰り返し咆哮し震える長尺展開に、意識はすっ飛ばされ彼方を彷徨。やっぱり求めてるのはコレなんだよなーと思ったり。歌声の人力が、ラストで楽曲をアルバム以上の高みへと引き上げていた"Ladies & Gentlemen..."も良かったが、個人的なベストタイム、すなわち我を忘れるぐらいに狂った瞬間はやっぱり"Take Your Time"

Yeah, I'm tired of it all...
って歌い上げられる辺りから、意識は混濁して遙か上方へ。空間が連続して爆発/炸裂するような完璧な轟音に打ちアゲられるトンデモな昂揚感。もう、この瞬間だけは、プライスレス。その興奮のままに打ち鳴らされるバスドラから"Come Together"〜"Take Me To The Other Side"と連なるラストには、控えめだったフロアもさすがに熱狂し、燃えていた。ちなみにCome TogetherのイントロでJasonのギターがトラぶったのだが、スタッフが速やかに修復して復帰。イントロがワンループ余分に聴けてラッキー、、、って程度のアクシデントに終わって良かった。ラストの「これぞスピリチュアライズド!」と思わせる煉獄ノイズで終わるかと思いきや、予想外のアンコールでしかも"Lord Can You Hear Me"。柔らかく、それでいて強い光に満ちたこのラストに、単純な己はなんだか敬虔な、非常に満ち足りた気分になっちまったのでした。あぁ、名古屋行って良かった。


Amazing Grace/You Lie You Cheat
Shine A Light
Cheapster
Soul On Fire
Sweet Talk
Sitting On Fire
Walkin' With Jesus
Baby I'm Just a Fool
I Think I'm In Love
Cop Shoot Cop
Ladies & Gentlemen We Are Floating In Space(Can't Falling In Love)
Death Take Your Fiddle
Take Your Time
Come Together
Take Me To The Other Side
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Lord Can You Hear Me

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