なんちゅう客の少なさか！？というのがまずもっての印象で、19時15分、既に暗転したクアトロに突入した私めは、予想を超えた客入りの悪さ驚いたのでした。50人も居ないぞ、たぶん。で、スッカスカな最前フロアに乗り込むや、ドンピシャなタイミングで一音目が振り下ろされた本日のオープニングアクト/PARAは、ご存知山本精一率いる5人組ユニット。ギター×2+鍵盤×2+ドラムという編成。MATH ROCKの第一人者を自称するそのサウンドは、硬質で煌びやかな変拍子を蒔き、降らせ、ループさせ繋ぐインストゥルメンタル・ロック。軽やかに舞い跳ぶ高域のフレーズは、重なるごとにその熱を上げ、肉体とココロを喜ばしむるグルーヴとなって波及。山本精一のギターは「スタイリッシュ」やら「クール」なんていう形容とはむしろ間逆の、いなたいフレーズを要所でキメて(ハズして？)おり、不思議な異彩を放って響く。たったの3曲、30分にも満たない演奏時間ではあったものの、これのおかげでかなり気持ちがアガったナイス・アクトでありました。
20分ほどで転換を終え、20時過ぎにドンキャバの面々が登場して暗転、開始。前回来日時も思ったが、ほんまにデカイなこの人ら。楽器が玩具に見えるアメリカンサイズな巨体×3が初っ端に繰り出すは、新譜より"Loudest
Shop Vac in the World"。ダークなライティングのステージに、これまた邪悪なフレーズが転回。なんちゅうか、同じ「マスロック」で括られるにしても、先のPARAとは全っ然音のタイプが違うのねー。というか、マスロックってよりヘヴィメタル/ロックだ、体感的には。一音一音に荒んだ迫力が充満する鳴りっぷりに、何とも表現し難いアングラな匂いを感じて興奮する。だからというか、全般的にかなり粗いプレイスタイルなんだが、その場でサンプリングしたフレーズをループさせるお家芸を無造作にキメちゃうギターにしろ、股ぐらにタムという変態配置で、嘔吐するように強烈な音塊を噴出させるデーモン・チェにしろ、まぁほんまにカッコつけてないのに格好良い。セトリは新作並びに前作からがほとんどで、むかーしのアレやコレも演ってくれるかしら？と思ってたのは叶わず。デーモンがやや疲れて見えた(スティック落としまくってた)ものの、寂しい入りのフロアにキレることもなく、アンコールまできっちりと魅せてくれたのには感謝。ただ、同じく客入りは悪いながらも、バンド/フロアともに燃えた前回公演と比べると正直盛り上がりには欠けたかな。曲毎に入るチェのMCが9割方理解出来なかったのも(個人的に)悲しすぎた。しかしこの現状を見るだに、次回の単独公演は相当難しそう！と思ったり。