SUMMER SONIC 08@大阪

写真も無いレポートですがよろしければどうぞ

■THE SHOES
フェス初めは踊りたいねっ!てなわけでダンスステージのオープニングアクト、仏産エレクトロ・デュオ/The Shoesへ出向く。全身で浴びる野太いビート、降り注ぐノイズ、ポップなメロがナイスな具合で煽情煽動。気持ちよーく踊れて満足至極。

■MASS OF THE FERMENTING DREGS
その足でBreezeへ急行。遠くから聴こえる唄声に盛り上がりつつ突入。1,2曲演ったとこだろうか、お客さん入ってるわりには盛り上がってない(笑)。初見の人が多そう。Helluvaで観て以来となるこのバンド。うーんもう「オルタナ!!」って単語が知らず頭に浮かぶアレですよあれ、グランジ通過したゴリゴリのロックンロール。メロディアスに展開するナンバーはまぁ普通だね、って感じだが、アルバム終盤に入ってるカオティック爆撃転回系(なんだそれ)のは熱っついね。なんかこう、ガツン!殴られるようなアンサンブルに燃えて燃えて独りで踊ってた。きもちかった。

■MGMT
あーいきなり長くなった。クロークに荷物預けて慌ててSONICへ。MGMT始まっちゃってたよ。入るとまぁキレイ!な七色のライトがステージを幻想的に照らしてた。Flaming Lipsも引き合いに出されるNYのサイケ・ポップバンド。夢見心地に降りかかるカラフルな旋律のあれやこれが、俗世の嫌なことなんて忘れさせる恍惚で場を包む。日本人の琴線に触れまくるシンセの旋律で躍らせる感覚が、RATATATと似てるかも。意外やお客さんの反応もよろしくて、イントロのたびにワッと盛り上がりピョンピョンと飛び跳ねる人多数でピースフル。最後の"Kids"なんて大盛り上がりで最高だった。

■BIFFY CLYRO
ちょい疲れたのでスタンドで寝ながら観ますか、と思っていたグラスゴーのトリオだが、ピチピチの赤パン履いた男2人(上半身裸!)がそのセクシーな身形から似つかわしくない轟音を叩き出した瞬間に火がつきアリーナへ駆け下りる(笑)。メタリックなリフを惜しげもなく叩き落すタイトなアンサンブルがかっちょええ。歌メインの楽曲はちょいそのエモさがもたつく感じもしたが、若干の変則性も交えてカマされる爆音は、ライブならでは!の熱があって良かった。

■AGAINST ME!
次こそ寝るぞ!と思ってスタンドで観戦。パンキッシュな熱量迸るフロリダ産バンド。ムンムンとしたメロとガンガンと叩きつけられる激しい演奏に惹き付けられるように、ガラガラだったフロアが次第に埋まり始めるの図を俯瞰してると面白い。中途で突如として出現したサークルモッシュに、後方で寝てた輩がここぞ!とばかりに狂喜して突っ込んでくサマに苦笑。

■SUPER FURRY ANIMALS
ぬぬぬ、なんかやたら人が増えた。開演5分前に下に降りるも、10列より前に行けねー!ってな状況。おそるべしスーファリ人気。自分の中では「Rings〜」を頂点に下降線を描いてる感じのバンドだが、05年にクアトロで観たライブ・マジックは素晴らしかったので今日も楽しみに。定刻どおり暗転し、間の抜けた"Slow Life"のイントロに乗ってメンバー登場。ちょ、グリフってばまだあの戦隊ヒーローもののお面被ってるヨ!と苦笑。完全に人を食った独特の佇まい。ステージから降りてウロウロするグリフ目掛けて客が殺到したので、その隙に2列目まで移動。しかし今日のライブは正直イマイチ。これまで観たどのバンドよりも音圧は小さく、全てが淡々と「こなされて」いく感じ。完璧な「ショー」として成立していた単独公演と比べると、演出も演奏もめちゃくちゃアッサリしてて思わず「もう終わり!?」と疑問符が。"Receptacle For The Respectable"でもイケず、"The Man Don't Give A Fuck"でも微妙な盛り上がり。手抜きと言ったら言い過ぎかもしれないが、もうちょっと+αが欲しかったなー。雑誌媒体での煽りに釣られて来た人たちの感想を聴いてみたい気もする。

■SPIRITUALIZED
ゴッソリ抜けた人を尻目に、右側最前列へ。04年3月以来だから本当に久しぶりに観るSpiritualized。18時ちょうど、暗転しないままにシンセ音が流れ出し(ミスった?)その後暗転。青白く浮かぶステージへメンバー登場。眼の前にJason、コーラス隊の女性2人も連れている。ステージ端で椅子に座って演奏するスタイルが印象深いJasonだけど、今日は立ったまま。一発目は新譜から"You Lie You Cheat"、頭ん中を純白に洗い上げるファズがノイズが吹き荒れる。そのまま煉獄のような爆音ノイズへと突入し、収斂した音が向かった先はなんと"Shine A Light"!!!最近のセトリとかまるで無頓着だったので驚いたが、この流れってばモロにRoyal Albert Hallのライブを思わせるソレで思わず鳥肌。さすがにそこから"Electric Mainline"へ行くことはなかったが、コーラス隊の豊かな声量を+した"Soul On Fire""Sweet Talk"の連発に、軽く宗教的な恍惚を覚える。気づけば"Lay Back In The Sun"で揺れており、地鳴りのようなリズムから始まった"Come Together"で昇天。こっから"Take Me To The Otherside"へと連なる流れは何度聴いてもヤバいぐらいに昂奮する。魂を抜かれるような異空間。永遠にも思える鬼のようなノイズの洪水を氾濫せしめ、激しく明滅するストロボと共に客を腑抜けにしたのち終了。稲光るステージに立つメンバーの姿はほとんど神話的に格好良いんだが、注視してると癲癇でぶっ倒れそうなので適度に眼を瞑る(笑)。ちなみにJasonはマイクかアンプの出力が気に食わなかったらしく、途中で何度もスタッフに指示を出していた。挙句にキレて、ステージ裏へ「馘首」のジェスチャをしてるのにはちょっとビビったよ。そのせいか10分ほど予想より短いセットだったのが残念と言えば残念。それでも今日観た中では図抜けてベストなパフォーマンスだった。

■JESUS & MARY CHAIN
ガラガラなんですが、、、裏のアクトを考えるとしゃあない気もするが、ちょっと気の毒になるような状況下で定刻どおりスタート。無数のバンドの教祖たるバンドが、今、ここで、眼の前に立って演奏している!という思い入れを除けば、特別なバンドマジックや奇跡的な瞬間があるわけではない。それでも「ノイジーでポップ」ただそれだけの甘美で猥雑な空間は間違いなく素晴らしく、その一事でコチラを軽く非日常の陶酔へと誘うに十分だった。3rd〜4th中心の楽曲を知ってるのか否かは不明ながら、フロアの盛り上がりも悪くない。"Head On"の畳み掛けっぷりには燃えた。めちゃくちゃ嬉しそうな笑顔で踊ってる人がチラホラ見れるのも良い感じ。そんなのも眺めつつ聴いてると、もう二度と観ることもないんかな、と微妙に感傷的な気分になったりも。熱狂は無かったが、フェスの最後を〆るには申し分のない素敵な空間だった。ってかSpiritualized〜J&MCってほんま有り得ん!!!最高。

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