SEVEN THAT SPELLS with Acid Mothers Temple@難波Bears

Niko Potocnjakを主体に結びつく、クロアチアの爆音サイケバンドによる初来日公演。煙草に混じって何だかあまーい香りが漂うぞと思ってる中20時45分、ステージに巨大なオッサン(Niko)含む3人が登場。その時々によって自在に演奏形態を変えてるみたいだが、今夜はギター/ベース/ドラムの3ピース体制でスタート。

で、いきなり「俺は今日はギターは弾かない。大阪の女の子はジャム(?)ベースが好きだからな!ガハハ!」とか言ってベース/ドラムの猛烈なセッションからスタート。マァ凄い!猛烈な手数のゴリゴリベースが飛ぶ飛ぶぶっ飛ぶ。「弾かねー」とか言ってたNikoがタッピングで彩りを加えフィニッシュ。「俺はギター・ソロは弾かないって言ったんだよ。aha!ha!ha!...」とか言ってるし。面白すぎる。

見た目ヘロヘロのくせに、叩き出される音塊は超硬質かつテクニカル。ベースという強靭な骨格を得たHellaみたく、変拍子乱れ飛ぶ眩暈のするような爆音アンサンブルで魅了。「Jazzターイム♪」とかふざけてるけどアナタ、ナンだこの手先の器用さは!その引き出しの多さは!アルバム4枚持ってるが、今日のっけから演ってる曲どれも知らねー!でも最高。3,4曲ぶっ飛ばしたところでステージ上にAcid Mothers Templeの河端/津山/東の3氏が登場。区役所前の公園ベンチで寝てそうなルックス(特に津山氏)がオモロイ・・・。扇子なんか持っちゃって、完全に酔っ払いのオッサン然とした振舞いの津山氏だが、巧いわーこの人。ドコノ国ノ言葉ダ!?と突っ込みたくなる擬似トラッド・ヴォイスにて、全部引っ掴んでの盛り立てる。その具合が半端ない。河端のギター/東のシンセが加わって、音量大増幅の爆音サイケデリック絵巻にシフト。新譜からの"Black Om Rising"は、遥かに厚みを増した空間に蕩揺たい、前作の"U"ではオリエンタル・サバスなリフが振り下ろされ時折ディジュリドゥにも聴こえるヴォーカルが交じり合う。滾り炸裂し溶解して混濁する爆音の宴。河端とNikoがギターを擦り合わせてノイズ、床では津山が喚きながら転がる、あふりらんぽのピカチュウが何時の間にか踊ってると既に破茶滅茶なステージ上。そのグチャグチャ具合が物凄く気持ちよかった。「Seven That Spellsの3人は、明日はHelluvaで演ります。3人のほうが絶対格好良い!」と言い切る津山氏のMCには爆笑したが、今日のこの特別編成での突き抜け具合は、本当になーんの演出も無いこの小さなライブハウスにおいて信じられないぐらい『劇的』な瞬間を連発していた。マジで素晴らしかった。アンコールで引っ張り出されたメンバーは一層ヘロヘロで、冗談めかしてはいたが切実に(笑)Beerを要求するNikoに誰も応えてあげられないまま(Barスペースが無いの)、新譜から"Fluxion"を爆音でかき鳴らし客席へギターを譲り渡しまたまたお祭り騒ぎの中終了した。暴力的に激しいインストながら、シリアスでなく突き抜けて陽気なものを感じさせるこの感覚は新鮮。最高だった。

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