XIU XIU@大阪Shangri-La

日曜夜&ドリンク代込5,000円ってなネガティヴ要素に打ち勝って観に行った。17時過ぎに会場着、少し並んで当日券を買い、上のMambo Cafeで待機。開演時刻の18時に会場へ入るとなんすか、ゴッツイ人なんですが・・・

シャングリラは初めてのハコだが、ライブハウスってよりは小劇場みたいな小奇麗な内装/ステージ。一発目はトクマルシューゴ。名前はよく見聴きするが全くの初見。「トクマルさんが一人で機材弄繰り回す」の図をイメージしてたんだが、今日の編成はギターの達者な兄ちゃんがエレアコ持って軽快に弾き語り、左右の彩色担当がチャイミーな音をシャラランと塗していくという超リラクシンな仕様。寝た。

続いてテニスコーツ。これはもう庭球場での大自慰大会を見た!ってなビツクリ具合の酷い内容。まるでリズム隊になってないベース/ドラムがペシペシやってるわ同じくペチペチしてるギターが貧相な音出してるわキーボードの姉ちゃんが「天狗サ〜マ〜が迎えにく〜るー♪」とか歌ってるわでもう許して!勘弁してっ!ってなある意味で本当の悪夢。最後にゃギターが「!$$%’のカヴァーをしますっ!」とか言ってカンペ見ながら半分恥ずかしそうに歌いだしてうわなんだこれどこの酒の席での出来事だよ!?と腹が立った。チケ代の中にコレも入ってるのかと思うと正直ツライ。しかし客側は拍手喝采。謎だ今日の客層は。お前が変なんだよ!って言われたらそれまでなんだが。

気を取り直して20時35分からXiu Xiu。バンド編成としては確か今回が初来日。幕が開いてまず、Battles並に高いクラッシュを備えたドラム・セットに目が釘付けになる。そろそろお腹の出だした中年会社員のような風体のジェイミー・スチュワートはある意味で衝撃。Key/ピアニカ/グロッケンその他を操るオネエサン(ジェイミーの従妹?)と、奇人集合体のメンバーの中で実は最強の変態っぽいシマシマTシャツ・丸坊主・メガネのベーシストによる4人体制。初っ端からブチ壊れた音像を精緻に叩き出す独特のジャンクネスを展開。極彩色を狂気で叩っ切るような異様な迫力が辺りに充満。白目剥いて天使光臨悪魔召還の上下層を移動するジェイミーの声は、アルバムで聴くのと全く遜色がなく圧巻。しかしキレっぷりで言えばドラムが一番。何かしらんがマジでイッてるよこの人?動きまくるドラムセットにムカついてただけかもしれないが、"ザック・ヒルに匹敵する西海岸きっての異能ドラマー"ってのをある角度から実感させるサイコな御人。フロアスピーカーより前方で観てたため、ジェイミーのギターがあまり聴こえない。ジャズベとアップライトをとっかえひっかえして変な音作りしてるベースも聴こえ難い。それでも、壊れたJUKEBOXがいきなり大音響で鳴り出したかと思えばいきなり爆発して終わるッ!みたいな狂想曲の連続が異様な磁場を存分に放出。なんだかんだで50分ぐらい演ってくれて満足。

続いて20時45分からDeerhoof。今日の客は大半がここ目当てだと思われる。個人的には観るの2回目?ギターが一人増えて4人体制になっていた。見た目は可愛いアライグマさんですが実は凶暴。触ろうとしたら噛まれたっ!ので保健所に頼んで4匹まとめて捕獲してもらい檻に入れておいたところ中でグルグルとダンスを踊りだしてなんかやっぱりカワイイっ!みたいな音楽。ドラムはバスドラとスネアとシンバル一つだけの簡素組なんだがめっちゃ巧い。ツイン・ギターの刻むリフも、タテの爆発的な快楽ツボを押さえまくっててイイ。が、ワタシどうもこのベース/ヴォーカルのサトミさんが苦手。異常に上手いバンド群を従えたオバちゃんがオン・ステージで気持ち良くなってます、、、とその場で言ったら周囲に縊り殺されること確実な印象を抱く。トリッキーに炸裂するアンサンブルにキター!!!ってアガルも束の間、サトミさんの「ハッ」とか「ふっ」とか「ぱわぁ」とか「ふらわぁ」ってお歌とダンスが入ってきて萎えるパターンの連続。アルバムだと良い感じのイロとなる「お遊戯っぽさ」が、生で観るとどうにも結構キツかったというか。特に今日の演奏は、そもそものキャッチーな部分をこの妙チクリンな雰囲気でもって意図的にデストロイしてるようにも聴こえて入り込めないまま終了。ちなみに会場は盛り上がっておりやんやの喝采。その割りに演奏中は大人しいという。久しぶりに周囲の雰囲気との馴染めなさを感じたライブだったけど、Xiu Xiuが良かったので満足。

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