THE MARS VOLTA@なんばHatch

ジャパンツアー初日の大阪公演へ。前回来日から約1年半ぶり!なわけで、ゴリアテを聴きつつノリノリ(半嘘)で18時半に会場着。するもなんかやたら人が群れてるよ?なんでもまだリハ演ってるとかで未開場。外でZIMA飲みつつ待つ。結局、19時頃から入場開始。当日券組の自分らが入れたのは19時30分。で、入るや否や「間もなく開演しますー」と。オイオイ早いなと思いつつ慌ててビール持って中へ。整理番号だと1200番台ぐらいまで呼んでたが、実際の入りは1,000人弱だろうか。前にMOGWAI観たときより遥かに高い人密度。と言いつつも、最前モッシュピット以外は隙間に結構余裕ありで良い感じ。場内に流れるやったらユルイ音に揺られながら、待つ。そろそろ焦れ始めた客側の手拍子も沸き始める中、20時過ぎに暗転。

舞台後景にはJeff Jordanのコレが鎮座。前回同様、モリコーネの渋い旋律と共に暗い光浮かぶステージへメンバー登場。オマーは毎度のピタピタジャケッツ。セドリックは千鳥格子の変なジャケッツ、左手にエイドリアン、右手にアイキーが立ち中央にはホアン・アルデレッテ?で総勢9人。身構える間もなく初っ端から猛烈なJamが炸裂!雪崩れかかる音の一斉乱舞にえ?え?何っ!?ってな感じで揉まれつつ、ワケが分からんままに昂ぶっていく。セドリックのヴォーカルは割れてたしSaxもKeyも聴こえ難いったらありゃしない!ってな状態だが、そんな些細を吹き飛ばす音の迫力に呆然。よくこれで弾けるな、、、と思わず思うomarの激しいアクションに加え、thomas pridgenの野性味全開のドラム・ラッシュが一挙に場内を煽り立てる。性急に弾け飛んだ残響の余韻のまま"Viscera Eyesへ。なんか物凄く良い感じのツカミ。曲中/曲間の端々にOmar主体のクセありまくりなインプロを噛まし、半ばこちらを置き去りにする展開に毎度ながら苦笑しつつ、"Wax〜"あたりまではわりと冷静に観てた。が、狂錯音の狭間でいつの間にやら突入した"Goliath"からだんだんと記憶が曖昧に。従来の展開を完全にブレイクし、key、bass、saxのソロをグチャグチャに取り込みながら漆黒を裂いていく演奏はかなり畸形。轟音の隙間に暗部が覗ける黒い音塊に突き動かされ、たまらず前へ。もみくちゃになりながら音に打たれるようにひたすら踊る。

構成を大別すると、楽曲本体/即興部分/その他インプロに分けられるが、後ろ2つの比重が高まった今回のステージは前回のストレートな爆撃模様とは違う黒々とした迫力があってヤバイ。内部のインプロが本体を呑み、奇態なモノへとグングン膨張。omarがエフェクター/ツマミを弄り倒して弾き出すギター・インプロなんて、ほとんど全体の流れをぶった切るような異物っぷりなんだが、それが良い具合のダルさで全体の混沌と結びつき、滾る巨大闇鍋のような怪しい世界に収斂。毎度ながらドラムを囲むようにギター/ベースが向かい立つインプロ・パート。ドラム主体のようでいて、その実テストされてるようなthomasの様子がめちゃオモロイ。半笑いで仕掛けるomarに、あまり器用で無さそうなthomasが(必死こいて)応える。するとホアンが横から変なリズムで入って応用編へ、、、と見ようによっては虐めのような掛け合い。しかし若いってのはやっぱり恐ろしく、喰らいつくようでいていつの間にか歯止めが効かなくなってるthomas pridgenの叩きっぷりは強烈。複雑な表層のインプロ部も、芯には解りよいリズムがあるのでどうにでもノレる。ヤバかったのは、リズム隊のミニマルなフレーズが繰り返された挙句に"Aberinkula"に繋がった瞬間。これにはもう鳥肌。そしてこっからはもう怒涛以外のナニモノでもない凄まじい音のラッシュ。セドリックのダンスもどんどん適当なタコ踊りに変化。うち被さるクライマックスの連続に、もう、終わりよね?と何度思ったことか。これでも時間おした関係でだいぶ削ってたらしいが、ノーアンコールの怒涛140分は十分すぎる超高密度。"Roulette〜"含む1stからの楽曲を聴きたかったーとか、音悪かったーとか、そんなもん全部ひっくるめて差し引いてもかなり満足度の高いライブでありました。


-set list-
Today's Jam
Viscera Eyes
Wax Simulacra
Goliath
Ouroborous
Tetragrammaton
Aberinkula
Cygnus... Vismund Cygnus

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