WE'RE FROM JAPAN!@鰻谷SUNSUI

昨日のMUSEの余韻をズリズリと引きずりつつ、仕事を終えて会場の鰻谷サンスイへ。狂乱のZeppから一転、コチラは非常に寡客。数にして30人にも満たないオーディエンスと共に、フロム・ジャパンを待つ。

前出のバンドについてはゴメン、聴いた瞬間に忘れるような音であったので割愛。彼らの演奏が終わった後、15分ばかりで手早くセッティングを終えたフロム・ジャパン。20時50分、演奏開始。

鼻の下にチョビ髭を生やした、N○VAの講師あたりに居そうな胡散臭さ満載のベーシスト、一方にはそれを使って魚でも釣れそうな長ーいアゴ髭を蓄えたギタリスト、更には沖縄料理屋に居そうなルックスはまんま日本人なドラマー、更に中央には一人だけメロコアやパンクバンドから抜け出てきたようなメイン・ギタリストが立つという、何気に愉快なルックスのメンバー。

叙情系の轟音インストバンドといえば今や吐いて捨てるほどたくさん居るが、彼らのアルバムを聴いて獲り憑かれたのは、そのめくるめく轟音の多重構造の素晴らしさ。メロディアスなベースを基調とし、非常にスムーズに流れ込む第1のバースト、間髪入れず叩き込まれる第2のバースト、吹き荒れるフィードバックノイズの渦中にて、更にノタウツ爆音の旋律は相当に気持ちよい。

今宵のライブでの1発目は、アルバム未収ながらもそうした彼らの魅力をハッキリと感じさせるナンバーであり、恍惚とノイズが混在した爆音を放ち上げる。さらに続けて個人的に大好きな"Extraneous Zoo Animals"へ。この轟音のミルフィーユとでも言うべき楽曲は、Mogwaiの"My Father My King"あたりが好きな人間にとっては、真にタマラン昂揚感を与えてくれる。多層を成す分厚い爆音と、その層を上からザックリと切り取っていくようなヘヴィロック系譜のタテのリフが非常な昂揚感を醸している。

逆に言えば、今日のライブでも半分ほどを占めていた、メロウな旋律とatmosphericな空間を基調とする楽曲においては、凡百といっては失礼だけれど、いたって並みの昂揚感しかもたらしていないような感もあった。そのくせ最後に持ってきた楽曲などは、ドラムのリズムがハード・コア系のそれを思わせるユニークな躍動を弾き出し、そこへ中央のギタリストが飛び跳ねながら轟音を叩き落すという、絶妙にトリッキーでしかしストレートな恍惚を降り注がせる素晴らしいナンバーだった。

が、、、全6曲/40分弱でアッサリと終わったバンドの演奏。気を利かせたベーシストが「もう1曲演ろうか?」と投げ掛け、フロアからも「プリーズ」の声が上がったものの、右手のアゴ髭のギタリストは何か不満だったのか速攻でシールドを引き抜き片付けモード。残る3人が「おい、もう1曲演ろうぜ」みたいな感じで話しかけるも「絶対嫌だ!」ってな具合に聞く耳をもたず、少しく後味の悪い終了を迎えたのでした。こんな名前付けたばっかりに日本に来ることになったけど、ホントは日本なんて好きじゃないんだよね、みたいな空気を少なからず感じてしまった、その辺だけがちょっと残念だったライブでした。

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